ありがとう、大好きだよ、と

それは突然だった

私の父にがんが見つかった
治る見込みの少ない膵臓がん
最初はステージⅡくらいだと
言われていたが調べだしたら
手術困難な箇所にがん細胞があり
どうすることも出来ないようだ
余命は2年あるかないかだそう

まさか自分の父が!?
ドラマや小説でよく出てくる
そんなセリフが頭をよぎった

余命宣告から早半年が過ぎ
抗がん剤治療を2週間おきに
打ち続けながら今も懸命に生きている
薬の影響で身体はみるみる痩せ細り
全身の毛は抜け落ちてしまって
帽子なんてほとんどしなかったのに
今は出掛ける際に必需品となっている

一年前は家族一同集まって
楽しく花火大会を見ていた
まさか一年後に父の体調不良で
集まれなくなるなんて夢にも思わず

だけどこれが現実、まだ父は生きている
ああすれば良かったこうすれば良かったと
後悔のないよう一回一回会うたびに
自分の思いは伝えているつもり
まだまだ言えてないこともある
もう一緒にお酒も飲めなくなったし
照れ臭くて面と向かって言えないし

でも必ずその時が来る前に伝えたい
本当にもっともっと一緒にいたい
私を産んでくれてありがとう
そして手を握りながら。。



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