大人の読書感想文「密やかな結晶」
自己紹介を書き、これから毎日書こうと決心した翌日から書かないという
1日坊主。
今日は私の大好きな小川洋子さんの本の中でも特に大好きな「密やかな結晶」の読書感想文を書こうと思います。
プロローグ
私は自称「本好き」ですが「本好き」には2タイプいると思っています。
1タイプ目は月10冊くらい読んじゃう活字好きタイプの本好き。
2タイプ目はたくさん読まないけど深めていくタイプの本好き。
私は後者です。(深めている自信はありませんが)
図書館の本、ほとんど読んじゃう雫(耳をすませば)みたいな子にとってもあこがれるけれどなれなかった。
まず読むスピードが遅い。そしてなん十分も読み続けられない。。。
はじめは1タイプ目だけが「本好き」と名乗る資格があると思って自分から「本好き」って言えなかったけど(今も言わないけど)2タイプ目を「本好き」と認めてから「私は本好きだ」と思えるようになった。
これは又吉さん(YouTube)のおかげ。
自己紹介で書き忘れたけど又吉さん好き。
そんなこんなで私は本好き、特に小川洋子さん好きなのです。
小川洋子さんの本も「全部読みました」って感じではないんだけれど私の中では一番たくさん読んでいる作家さんです。
ただなぜか親族には小川洋子さんの良さを分かってもらえないのです。
こんなにもすてきなのに。
本編(おおいにネタバレを含む)
私は本屋さんで買う本を選ぶときに必ず裏のあらすじを読む。
ミステリー、ホラー、と書かれていたら買うのをやめる。
この「密やかな結晶」のあらすじにはこのようなことが書かれている。
25年前、私はまだ生まれていなかった。
スマホはまだなかった。SpotifyもNetflixもなかった。
そんなときに評価されたものが今でも評価され続けている。
それはなぜなのだろうか。。。
この物語ではあらすじにかかれていたようにあらゆるものが消滅する。
みなそれに気づくが混乱はしない。
自ら消滅したものを捨て、燃やし、当たり前のように消滅を見届ける。
正直に言えばその光景は非常に不気味である。
昨日まで当たり前に生活の中にあった者たちをなぜそんな簡単に
海に捨てられるのか、燃やせるのか。
大切な本も大切じゃない靴下も捨てようとしたら心が痛む。
平気で捨て燃やすことができるなんて感情がないのではないだろうか。
そう思った。
「R氏」は「私」がいろいろなものを失っていくのを止めようと努力する。その努力むなしく「私」の忘却は加速していく。
この物語の中には秘密警察というものが登場する。
秘密警察は忘れるべきものを忘れない者たちをとりしまる。
その方法は暴力的で恐怖である。
「R氏」は忘却止めようとしていたが私は「私」が様々なものを忘れていくことに安心していた。
秘密警察は怖いのだ。命より大切なものなどない。
読み終わったとき私の考えは変化していた。
忘却に従うことは正しかったのだろうか。
「R氏」の言うように忘れない方がよかったのではないだろうか。
なぜこのように変化したかというと「私」は様々なものを忘れていくうちに感情も忘れてしまっているように感じたからだ。
何かを見て美しいと思うこと。
それができなくなっているように見えた。
この感情を忘れてしまっている、というのがこの物語が25年たった今でも評価され続けている理由ではないかと感じた。
いま私たちの周りにはたくさんの物がある。
ほしいものはお金さえあればほとんど手に入る。
ありがたい。便利だ。豊かだ。幸せだ。
そんな綺麗な言葉の裏でひっそりと私たちは大切な感情を失っている。
南国に住んでいる人が
庭にでも生えるみかん、寒いところでしか取れないりんご、
どちらが欲しいかといったらきっとりんごであろう。
みかんの味はりんごよりも普通でつまらないものになってしまう。
このようなことが世界中で起きていると私は思う。
この物語はそれを伝えている。
言い訳
読書感想文といっていいのかわからないほど短いものになりましたがこの辺で。
私は言葉にするのが苦手で、というか好きじゃなく(だったらなぜ読書感想文を書いたのだとなりますが、、、)
というのも感じたものを自分の言葉で表現してしまうと少しずつずれていってしまうような気がして。
それが起きないように書いたらこうなりました。
最後に私の好きな文章を
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