素敵な夢のかなえ方ー妃海風さんのことー

元・星組娘役トップのふうちゃん(妃海風さん)を知ったのは、まだふうちゃんが下級生のころ、たしか観劇帰りに母と当時劇場隣にあった三井ビルの前を歩いていたときでした。すらりとした涼しげな美人さんが別の女性と親しげに話しながら歩いているのを見かけました。ゴジラ像前あたりで二手に別れたところで一緒にいた女性に「いまの綺麗な方、スターさんですよね。どなたですか?」と話しかけたところ、「星組のひなみふうさんです。ふう、は風って書きます。今度轟悠さんの公演に出ます。応援してくださいね!」と言われたので「もちろんです。楽しみにしてます!」と伝えました。
その後ほどなく、スターの階段を駆け上がっていったふうちゃんは、リボンやフリルがよく似合って愛らしく、相手役さんをキラキラの瞳で見上げて寄り添う姿は夢夢しく、女の子の夢が詰め込まれたようでした。
それはとても素敵で、見るたびに幸せな気持ちになりましたが、最初に日比谷の街角で見たクールでかっこいい印象との違いにかすかな違和感というか戸惑いも感じていました。
が、早花まこさんの記事を読んで、ストンと胸に落ちました。

わたしが日比谷でふうちゃんに出会ったのは、ふうちゃんが自己プロデュースに取り組みはじめた頃だったのですね。
クールでかっこいいふうちゃんもよかったけど、宝塚の娘役さん、相手役に寄り添う娘役さんとしては、キラキラでふわふわで愛らしいイメージが、見ているわたしたちも幸せな気持ちになって、いいのかなって思うし、そのイメージが「ふうちゃんらしさ」となって、素敵でした。
自分を変えるのは勇気がいることだと思います。けど、アドバイスを素直に聞いて、くじけないで努力を重ねられたことは、とても素晴らしいことだと思います。しかも、努力している姿が、苦しく見えない。たいへんなのだろうけれど、わたしたちの目にはいつも天真爛漫で、何ごとにも楽しく軽やかに挑戦している姿が映っていました。

「心がときめく未来をまっさきに用意して、そこへ向かって走り出す。」

それが「妃海風流」の、夢のかなえ方と早花さんは書かれてます。そうはいっても心が挫けるときも、夢を見失うときもあると思うのですよね。それを乗り越えて、夢をかなえ、わたしたちにも夢を見させてくれた、妃海風さんは、やっぱり素敵な方だってあらためて思いました。

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