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非常時照明を日常の中に Vol.6

非常用照明で過ごす夜 #2-1  @K宅

<実施バックグラウンド>
体験日時:2021年1月9日(土)日没から翌朝まで
※冷蔵庫はONのまま、空調はOFF。
天気:晴れ
気温:最高7℃ 最低-3℃
人数:2人(夫婦)

 前日の夜に受け取ったアイテムを開封し、自宅にあった防災アイテムと合わせ、必要なものはコンセントに刺し充電しながら当日に備えます。


 当日の朝、ソーラー系を充電するときに気が付きました。
 私の家は、北と西側にしか窓がありません。冬場は太陽高度が低く、直射日光を受ける場所と時間が限られてしまいます。満足に充電が出来るか不安ですが、観葉植物達がいる北側出窓で充電を行いました。

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 日が落ちて防災体験スタートです。
 リビングがあまり広くないこともあり、私の家ではランタン1つでも十分に明るい印象でした。

レポート写真3

 テーブルの上に照明を置き夕食の準備をしていたところ、妻から暗くて作業がしづらいと苦情がありました。
 低い位置に照明があるため、光が当たらない面が多くなり、非常食の作り方を読むときやお湯を線まで注ぐときなどに見えづらく、当てるための照明を持つと手がふさがり、どうにも不便を感じました。

 そこで、より快適に過ごせる方法を考えました。まずはそれぞれ手元を照らせる照明を首から下げることにしました。私はヘッドライトを、妻はリトルサン(Olafur Eliasson)を首から下げてみました。

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(水道が出るうちに、ペットボトルに水を確保する想定)

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(リトルサンを正面から見たところ)

 結果は作業するのには快適ですが、向かい合った相手にはまぶしいというデメリットがありました。そのデメリットも、不要な時は消しておけば良いのでほぼ問題ないので、一人1つずつ明かりを身に着けることで、自由に歩き回れることで快適さが補われました。
 またこの後にも、とても重要な役割を果たします。
 

 更に部屋の快適さを追求します。照明の種類以外にも、先ほどテーブルの上に置いていた照明の置き場や向きを変えて検証しました。

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 いろいろ試した結論としては、天井に光を当て間接光を取ることで、強い影の出ない空間とすることにしました。間接光とすることで光は弱くなりますが、徐々に目が慣れてくることで部屋全体が見渡せるようになりました。
更にテーブル面に程よい光を足すことで、より使いやすい空間にすることが出来ました。

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 災害時は特に不安な気持ちになる中で、空間全体が認識出来ることは安心感につながるのではないかと感じました。

 最後に更に問題が起こったのですが、昼間のソーラー充電が不十分だったのか、急に照明が消え、暗闇になってしまいました。
 そんな時に先ほどの首から下げている照明を点灯し、事なきを得ることが出来ました。


 何が起こるか分からない災害時に、一つの明かりだけでは急に暗闇になる危険性もあります。いくつかの照明を同時に使うことや、身に着ける明かりの存在は、安心感や保険としても重要性を感じる結果となりました。普段は建築の明かりのデザインを行っている私達ですが、当たり前の光が無くなった時に、改めて身の回りの光について考えさせられた体験となりました。

つづく。

by Hikaru Kimura



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