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「汝、星のごとく」

凪良ゆうの「汝、星のごとく」を読んだ。書店アプリの毎日くじでポイントをコツコツ貯めて、ついに100ポイントになったから何か買おうと思って立ち寄った。

映画「流浪の月」で凪良ゆうのことを知り、その新作であること、表紙の美しさに惹かれ衝動買いしてしまった。

衝動買いはたびたび後悔につながる。
でも本は良い。たまに失敗したと思うこともあるけど、作家はもちろん編集者や校正の仕事を経て出来上がった作品だ。本は良い。

私は元彼を亡くしている。
よくある話で平凡に付き合い始め、遠距離恋愛に耐えきれず平凡に別れた。

彼の死を知ってから心にぽっかり大きな穴があいた感じがした。心とはいえ内臓の一部を喪失した気分だった。

ようやく気にならないくらいになっていた夜、急に近くにいる感じがした。
怖くはないけどさみしい、つらい、悲しい。

「汝、星のごとく」でも、女性が早死にする男性を見送る。男性が生き別れた恋人を想い「ずっと探していますよ」と言う場面がある。

ぴんと来た。私も彼をずっと探している。
最後に彼がしてくれた約束「ふたりとも冬まで生きてたらさ…」は果たせなかったけど、私は意外と面の皮厚く生活できている。

一人だけど孤独じゃないのよ。みんな私の胸の奥にいるのよ。生きている人も死んでしまった人も。

三日月のそばのまばゆい星を見て、会いたいなぁと思う。会いたい。あなたに、会いたい。

私は双極性障害だ。そうでない人と比べると平均寿命が短いらしい。
自殺者が多いのもその理由の一つだけど、私は死ぬまで死なない。好きな人たちと連絡をとって、誰かがつらいときに思い出してもらえる居場所をつくっておきたい。そしてたまに会いたい。

私の好きな人たちは、日本全国いろんなところに散らばってしまっているけど、できたらみんなが集まるパーティをしたい。
結婚式くらいしか思いつかないのが残念。パートナーがいなくてひとりで主催してもみんな来てくれるかな?


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