見出し画像

ロー入試のステメンに書くことがないあなたへ【課外活動編】

ロースクール入試対策では、法律科目の勉強や小論文対策から始める人が多いでしょう。いざ出願という時になって、志望理由書や自己評価書といった通称・ステートメント(ステメン)が必要だと気がつき慌てる人もいるのではないでしょうか。

本記事では、ステメンに悩む受験生に向けて、筆者なりのステメンの書き方を紹介します。是非参考にしてくださいね!(ライター:長井/The Law School Timesライター



前回の【勉強関連編】では、ゼミや授業の経験を踏まえた書き方を紹介しました。

ロースクールは教育を受ける場所であるため、優先して書くべき内容は勉強に関することです。しかし、勉強について書くことが思いつかない方や勉強以外で書くならどんなテーマがあるか気になる方もいると思います。そこで、今回は、サークルやアルバイトといった課外活動を主題にしたステメンの書き方をご紹介します。



部活やサークル活動について

何かしらの部活やサークルに所属している場合、書きやすいテーマですが、志望するロースクールが受験者に何を求めているのかを踏まえた内容にしなければいけません。

例えば、中央ローでは、入学者に求める能力として「社会性、成熟性、コミュニケーション能力」(中央大学「ロースクール 三つの方針」)が挙げられています。筆者は中央ローを受験していませんが、他のロースクールを受験した際のステメンで、サークル活動について以下のように触れました。

「私はディベートサークルに所属し、代表も経験した。(中略)サークル活動で社会問題に触れながら様々な思考を巡らせることで、社会が抱える問題に対応するための素養は身につけられたと考えている。また代表としてみんなの意見をまとめ、また述べやすいように議論を導くことも多くあった。そして代表としてサークルの運営にも携わり、事務手続きに関わったことで、社交性も獲得できたと感じている。」

中央ローが求めている能力を踏まえて書いたわけではありませんが、社会が抱える問題に対応するための素養という「成熟性」と、議論をまとめ導く「コミュニケーション能力」、そして「社交性」があることをこの内容で主張できていると思います。活動内容を淡々と書くのでは、他の学生との違いやそのロースクールを志望する理由や熱意が伝わりません。自分はどのようにロースクールが求める能力・志を備えた人物になったのかを伝えることが重要です

ステメンの提出までに余裕がある方は、ロースクールのステメンに記載できる課外活動を始めてみるのも良いでしょう。参加するサークルに迷ったら、ディベートサークルや模擬裁判を行う団体、法律相談サークルがお勧めです。多くのロースクールが求める、問題解決のための思考力や表現力につながる活動ができるでしょう。また、どんなサークルに所属するとしても、代表や役員など、責任ある立場を積極的に経験してみると良いと思います。


アルバイトについて

アルバイトについては、大学院が求める学生像と結びつくことが少なく、率先して書くのはお勧めしません。

例外として法律事務所でのアルバイト経験は、法曹を志望する理由や実務経験、法的知識を獲得した経験として記載できる上に、書類で勤務経験を証明することもできるため、優先して書いても良いと思います。また、ステメンに記載する場合は、アルバイト先の許可をとるのが望ましいです。


ボランティアについて

ボランティアは、社会課題を発見する契機になることも多く、得た経験が大学院が求める学生像に結びつきやすいです。ボランティアを通じて、法曹の大切さや法的問題に気がついた人は、ぜひ率先してステメンに記載しましょう。社会性や事務処理能力を獲得したとアピールするのも良いと思います。


TOEIC等の英語資格について

TOEIC等の英語関係資格は、ロースクールによっては、必須だったり加点要素になると明記されていたりします。そうでないロースクールを受験する場合も、ステメンに記載することは可能です。成績証明書が発行されることが大半であるため、その書類を添付することで証明をしやすいのも利点です。

特に国際色の強さを売りにしているロースクールを志望する場合は資格を通じて英語力をアピールし、英語を用いて行われる授業に付いていけると示すのも有効でしょう。他にも、法曹になった際に国際的な問題に取り組みたいと考えている人は、「将来のために英語の勉強に励んでいる」として英語資格に触れるのも良いかもしれません。

しかし、上記のような例は、高得点を獲得している人限定の話です。

「自分は高得点とは言えない…」と思った方は、英語資格の点数を書けないと落ち込む気持ちをステメンに書いてしまいましょう!「国際的な問題に関心がある。だからこそ英語をより積極的に学ばなかったことを悔いている」などと記載することも可能なんです。これは志望理由というよりは自己評価ですが、反省も立派な自己評価です。

他のテーマでも言えることですが、ロースクールが求める能力や人物像を証明できる経験がないから触れない、ではなく、そういった能力や人物像が求められていることを理解していると証明する、という多角的な視点で見てみると、意外と書くことが見つかります。


おわりに

社交性や国際性といった能力は、法的知識と並んで多くのロースクールで求められる重要なものですが、ゼミや授業の経験といった勉強関連のトピックでは証明するのが難しいです。そのため筆者は課外活動での経験を勉強関連の内容と同じくらいの量を書けるように意識していました。これまでの筆者の記事がステメンを書く際の参考になれば幸いです。応援しています!


The Law School Timesは司法試験受験生・合格者が運営するメディアです。「法律家を目指す、すべての人のためのメディア」を目指して、2023年10月にβ版サイトを公開しました。サイトでは、司法試験・予備試験やロースクール、法律家のキャリアに関する記事を掲載しています!noteでは、編集部員が思ったこと、経験したことを発信していく予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?