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慶應ロー生の1日

ロースクール生の過ごし方については、法律を専門的に学ぶのだという認識はあっても、いざロースクール生活を始めてみなければ具体的にイメージしにくい部分が多いと思います。
そこで本記事では、慶應ローの在学生へインタビューを行い【慶應ロー生の1日】をまとめてみました!(ライター:栽松/The Law School Timesライター)


授業時間割

慶應ローでは、全学年共通して講義をベースに1日を過ごしています。そこで細かい過ごし方を見る前に、慶應ローの時間割を掲載しておきます。

慶應義塾大学HP「振鈴表」をもとに筆者が作成

講義のある時間を基準に空いた時間で自習をしたり、食事をしたり、息抜きをしたりしています。

2限と3限の間がお昼休みとなっており、昼食をとっている人が多いです。ただ45分のお昼休みはどこかお店に行くには短いので、3限を控えている人は学食に行くか、お弁当やコンビニ、校舎の2階にある自販機等でご飯を済ませている印象です。空きコマのある人はキャンパス周辺のご飯屋さんへランチに行くこともあります。

食事については、一人暮らしの人は外食やコンビニ・学食を利用する人が多いと感じます。一方、実家暮らしの人の中には、家からお弁当やおにぎりを持参している人も多いです。それぞれの生活スタイルに合わせて勉強時間を確保しつつ、食事を済ませています。


授業がある日のスケジュール

授業がある日の過ごし方は、全学年を通して下の円グラフのような構成になっている人が多い印象でした。このグラフは1日24時間を色分けしたものです。人によって起床時間や就寝時間が異なるため、細かい時間は人それぞれですが、時間の使い方はインタビューを受けてくれた慶應ロー生の全学年間で共通していたように思います。

一番大きな割合を占める「講義・自習等」の部分で、アルバイトをしたり、ロースクール内外の友人と話をして過ごしたり、ローでのクラス会や学部時代の友達との飲み会に参加したり、メリハリをつけて過ごしています。

授業がある日のスケジュールを示した円グラフ

以下では、それぞれの学年のスケジュールについて個別で所感を述べていきます!

1年生

1年生は未修者コースへの進学者のみで構成されています。年間30単位(15時限分)の必修科目に加え6単位を上限に選択科目を履修することができます。年間を通して必修科目の講義で忙しいことが特徴です。講義が多い分、予習や復習に割く時間も多いでしょう。

2年生

3年次での在学中受験が始まった影響で、2年生の前期は必修科目(14単位)や選択科目の履修で特に忙しいです。予習復習、ロースクールの試験等に追われます。

後期は前期に比べ講義数は調整できますが、司法試験まで1年を切っていることから基本的なスケジューリングは変わりません。まだ在学中受験は初年度ですが、慶應ローはかなりの割合で在学中受験にチャレンジするロースクールであることが予想されるため、(2023年度は春学期に成績評価を受けている143人中133人が司法試験を受験)それを意識した日々を過ごしているようです。

3年生

今年度(2023年度)から司法試験の在学中受験が始まったこともあり、司法試験直前期の面々が多く、自分の勉強にかなりの時間を割かなければなりません。

講義がある場合、1限が9時から始まる関係でその時間には登校しますが、前期後半からは司法試験との関係上、必修の授業が終了しており、午前中の授業は基本ありません。早く(6~9時など)ロースクールに来て早めに帰る人や遅く(12時~など)来て23時まで勉強していく人など様々です。

後期は司法試験も終わって11月上旬まで結果待ちなので、勉強!!という雰囲気はかなり落ち着いています。修了できるよう履修を組み、講義が終われば自由時間にしている人が多いです。中には翌年に備えて勉強している人もいますし、そこは人それぞれです。


全休の日・休日のスケジュール

この点は学年ごとに分けるほどの違いは見られませんでした。

今回インタビューに答えてくれた面々は、休日もロースクール内の自習室で勉強している人が多かったです。授業のある日に比べて、昼くらいにロースクールに来て勉強する人が多く、1日のスタートが遅くなるイメージです。

もちろんロースクールの自習室以外に、家で勉強する派・カフェを利用する派・フリースペース等を利用する派もいましたので、自身のロースクールとの距離感や集中しやすい環境に応じて勉強しています。どこで勉強していても、勉強時間はある程度共通している印象を受けました。

このように、1日を丸々使って遊ぶことが少ない、全くないといった回答が目立ちました(司法試験後の3年は除く)。

もっとも、全く自由時間や遊ぶ時間がないというわけではなく、いったんは勉強して、息抜きに友達と遊んだり、運動をしたりする生活を送っています。


長期休みの過ごし方

旅行等に行き、リフレッシュする人もたくさんいます。講義がある時に比べてかなり時間を自由に使うことができる印象です。

2、3年生は長期休みのうちにインターンシップ(慶應ローで履修できるエクスターンシップ、個別に応募するサマークラークやウィンタークラーク等)に参加したり、就職活動を行ったりします。司法試験を年内に控える2年生の冬休みを除いて、勉強時間はかなり減って、1日3~4時間ほどという人も多くいる傾向があります。

もちろん過ごし方や勉強時間は人それぞれですので、この傾向はあくまで今回のインタビューで得られたものです。


リフレッシュ方法

勉強ばかりでは精神的にも肉体的にも苦しくなってしまいます。インタビューを受けてくれた現役慶應ロー生のリフレッシュ方法について挙げておきます!

・ローの友達と話したり、地元や学部時代の友達と会ってご飯に行ったりする(3年女)
・ドラマを見て泣いたり、談笑・散歩をしたりする(2年男)
・飼い犬と遊ぶ(3年女)
・サイクリングに行く(2年男)
・そもそもストレスをためないように意識する、参拝に行く(1年男)
・その他、飲み会に行く・ゲームをする等


○○ or ××

最後に、「実家暮らしか一人暮らしか」「バイトをしているか」など、1日の過ごし方に大きな影響を与える対立点について、それぞれの立場の慶應ロー生に意見を聞いてみました!

(1)実家暮らし or 一人暮らし

●実家暮らし派
メリット
家事をしなくてもいい。栄養バランスの良い食事をとれるし、勉強が忙しいときには軽食を持たせてくれる点もよい。また、家族が話し相手になってくれるので、そこで勉強のストレスをため込まないようにすることができる。

デメリット
特にない。家が多少遠くなる傾向にあるが、移動時間に勉強・睡眠できるのでそこまで気にならない。

●一人暮らし派
メリット
自由度が高く、干渉が少ないのが良い。ロースクールと近い場所に住めば遅刻しないし、単純に通学が楽。

デメリット
家事ができないとつらい。家事、家賃、健康保険とかやることが多いので時間がかかる。

(2)バイトあり or なし

今回インタビューに答えてくれた面々の中では、バイトありとなしの人数は半々でした。

●あり派
自分が自由に使えるお金を少しでも稼いでおきたい!ただし、多くの時間を割いている人はおらず、シフト制でたまにやっている・週1で2時間・かなり自由度の高いところでたまに…といった感じでアルバイトをしている。

●なし派
バイトをしている精神的余裕がない。周りより学習が遅れている分、取り戻す勉強をしなくてはならず、時間的に余裕がない。

(3)勉強は自習室 or カフェ

家派は今回おらず、家だとゆっくりしてしまう、寝てしまうとの意見が目立ちました。また、慶應ロー生は自習室を利用している人が多い印象があります。

●自習室派
周りの目があるので集中できる。席に座れないということもない。温度調節が難しい点と、ドアの開け閉めの音などが気になる人は気になるかもしれないが、基本的に静かな環境で勉強できる。

●カフェ派
自習室は静かすぎて、逆に集中できない。カフェの方がお金を払って行っている分集中できる。


おわりに

本記事では慶應ロー生の1日の過ごし方をご紹介しました。みなさん勉強ベースではありますが、息が詰まらないように各々工夫して過ごしていることがわかります。

ロースクール生活での後悔として「もっと早めに自分の勉強しやすい場所やスタイルを見つけられたらよかった」といった意見もありましたので、本記事がその参考になれば幸いです。


The Law School Timesは司法試験受験生・合格者が運営するメディアです。「法律家を目指す、すべての人のためのメディア」を目指して、2023年10月にβ版サイトを公開しました。サイトでは、司法試験・予備試験やロースクール、法律家のキャリアに関する記事を掲載しています!noteでは、編集部員が思ったこと、経験したことを発信していく予定です。


【追記】2024年2月4日午後16時30分 「授業がある日のスケジュールを示した円グラフ」に、各項目に費やす時間を記入しました。

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