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【司法試験対策】自主ゼミはどう行う? 

司法試験対策やロースクールの授業の予習のために開催する自主的な勉強会「自主ゼミ」。慶應ローに在学していた筆者は、2年次から自主ゼミを主催しており、自主ゼミでの学びが司法試験の合格につながったと考えています。今回は、筆者が考える自主ゼミの効果的な実施方法や、取り組んでいた内容をご紹介します!
(ライター:Ko/The Law School Timesライター)


自主ゼミとは?

自主ゼミとは、自由に人を集めて行う勉強会のことです。ロースクールでは、司法試験対策や授業の予習を目的として、自主ゼミを組むことがあります。自主ゼミを行うメリットは、ゼミ仲間と議論し理解を深めることができる、勉強のペースメーカーとなる、試験や就活などの情報共有ができるなど、さまざまです。もちろん自分のペースで学習を進めたい人などは無理に自主ゼミを行う必要はありません。筆者のロースクールでは、およそ半数が自主ゼミなど何らかの勉強会を行っていました。

自主ゼミの効果的な行い方 〜いつ・どこで・誰と?〜

自主ゼミの準備・開催に時間を取られることを、懸念する方もいるでしょう。自主ゼミを効果的に行うためには、そうしたデメリットを最小限にしながら、上記メリットをフルに活かす必要があります。

自主ゼミを始める時期

司法試験対策用の自主ゼミであれば、受験する年の前年度の秋学期頃(在学中受験を行う人は、既修1年目・未修2年目の秋学期頃)にはスタートすべきです。ロースクール2年次春学期は、授業の予習などに時間がかかり、なかなか司法試験対策のための自主ゼミを行う余裕がないかもしれません。秋学期になれば比較的、時間的な余裕が生まれ、司法試験対策に舵を切れる上、司法試験から逆算したスケジュールを組みやすくなります。

一方、授業の予習のための自主ゼミであれば、在学中いつ行っても良いと思います。基本的にロースクールの空きコマを用いて行うことが多いです。

お勧めの実施場所

ロースクールの空き教室や、図書館などのグループ学習室が良いでしょう。ゼミ仲間が集合しやすい上、自由に声を出して議論をし合える点や黒板・ホワイトボードを利用できる点が優れています。

誰とやるか?

自主ゼミの人数は、内容にもよりますが、3人~5人程度がお勧めです。2人だと日程や内容を自由に決めやすい等の利点がありますが、より幅広い視点や情報を得るためには3人以上必要です。逆に人数が多すぎると、答案添削・批評に時間がかかったり、日程や内容を決めづらくなったりするため、5人以下が良いでしょう。

重要なのは誰と自主ゼミを組むかです。基本的には、普段から仲の良いロースクールの友人と組むのが、互いに円滑にコミュニケーションをとり、気を遣うことなく議論し合える点で適しているといえます。自分より勉強が進んでいる人と組めば良いアドバイスをもらうことができますが、互いにストレスにならないよう、自分も何かゼミ仲間のために貢献するというギブアンドテイクの精神が必要です。また、得意科目が自分と違う人と組めば、互いに不得意分野を補い合えます。志望する就職先が同じ人も、就活の情報交換ができるので良いでしょう。

具体的に何を行うべきか?

自主ゼミは、どの科目をどのように勉強していくかをゼミ仲間と相談しながら決めていく必要があります。司法試験対策用の自主ゼミでは、司法試験の過去問を事前に解き、答案を互いに見せ合って、内容や書き方等について議論し合うというやり方がオーソドックスだと思います。

筆者は、自分を含めて5人のゼミを組み、ロースクール2年次の秋学期から週に1回、上記方法による自主ゼミを行っていました。具体的には、自主ゼミ開催日の2週間前に、取り組む過去問の年度と科目を2つ決め、それぞれ自主的に時間を計って答案を作成し、自主ゼミ開催日3日前までに、PDFファイルにした答案をLINEグループで共有するという方法です。3日前までに共有することで、自主ゼミ開催日までに他のゼミ仲間の答案を読み、気づいた点や改善点を見つけ、効率的に議論することができます。そして、議論してまとまった内容を論証に反映したり、一つの教材などにまとめて情報を一元化したりすることで、今後に生かせます。

個人的にはこのまとめの作業が重要だと思います。議論しただけでは内容が抽象的なまま終わってしまうことがありますが、自分の中でかみ砕いて、答案にどう表現するかといった部分まで整理し、記録することで、自主ゼミで議論した効果が大きく生じるのではないかと考え、これを行っていました。

秋学期が始まった9月末から開始し、年末年始などの長期休みは解く過去問の量を増やし、定期試験前は減らすというように調整しながら継続した結果、3月初旬までに直近8年分×選択科目以外の7科目の過去問演習と共有、議論を終えることができました(筆者の自主ゼミは、参加者の選択科目がバラバラだったため選択科目は扱いませんでした。周りには、同じ選択科目同士で自主ゼミを組む人もいました)。

その後、直前期までは、それ以前の目についた過去問や出題が予想されたテーマ(行政法の原告適格、刑訴法の伝聞法則など)を取り上げ、議論しました。余裕があれば、過去問以外の参考書や予備校の答練をピックアップし、扱ってみてもいいかもしれません。

授業の予習用のゼミは、全ての授業に対して行う必要はなく、ソクラテスが成績に大きく反映される授業や、議論すれば答えを導き出すことができるものなどに絞って行うべきといえます。筆者は、ロースクール2年次の春学期に、ソクラテスが成績に反映されやすい1つの授業に絞って、3人で行っていました。

自主ゼミで得たもの

筆者は、先述のように自主ゼミを行ったことで、一人で勉強していたのでは気が付かない視点や勘違いしていた部分を発見し、法律の理解を深めることができました。自主ゼミで議論した内容が司法試験に出題した分野もあり、試験中には、ゼミ仲間の顔が浮かびました。ゼミ仲間とはとても仲良くなり、司法試験後には打ち上げを行い、夏休みには旅行に行きました。実務に出てからもゼミ仲間との関係は続いていくと思います。これらは私にとって大きな財産です。この記事を読んだ方にも、素晴らしい自主ゼミ仲間が得られることを願っています。


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