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五大法律事務所の就活・リアルな1日

「『五大事務所』ってよく聞くけど、どうやって入所するのだろう?」「激務なイメージだけど、実際どのくらい働いているのだろう?」という疑問のある司法試験受験生も多いのではないでしょうか。今回はロースクール生の筆者が、いわゆる「五大法律事務所」に所属する弁護士2名に匿名で話を聞きました。皆さんが気になるであろう、五大法律事務所の弁護士の就活事情や、仕事の日のリアルな1日をご紹介します!(The Law School Timesライター)


そもそも五大法律事務所とは?
五大法律事務所とは、国内の法律事務所において所属弁護士の数が上位5位の、以下の法律事務所のことを指す俗称です。

・西村あさひ法律事務所
・アンダーソン・毛利・友常法律事務所
・長島・大野・常松法律事務所
・森・濱田松本法律事務所
・TMI総合法律事務所

1人目 某五大法律事務所弁護士 Aさん(72期)

☆プロフィール

出身大学:京都大学
出身ロースクール:京都大学法科大学院
*ロースクール1年目で予備試験合格)
専門分野:訴訟紛争 
趣味:飲み会

☆五大事務所入所までの経緯

【学部4年生】 
説明会で五大事務所の存在を知る

【法科大学院既習1年次】 
サマークラークに参加。ここで初めて企業法務という選択肢を考える

【法科大学院既習2年次】 
予備試験合格後のウィンタークラークに参加

【就活解禁日】
正式な内定の電話📞(ウィンタークラークの際に特に、内々定みたいなものは感じ取れなかったそうです👀)

☆1日のスケジュール

👀Aさんには、とある忙しい1日のスケジュールを教えていただきました!

8:30 起床
9:10 自宅出発
9:30 事務所到着
10:00~12:00 クライアントとの会議(準備書面の方向性のすり合わせ)
12:00~12:30 会議の間に溜まったメールの返信
12:30~13:00 ランチ(コンビニでサクッと!)
13:00~13:50 準備書面の作成
14:00 遠方の裁判所へ向けて出発
17:00 事務所の戻る・期日報告書の作成
18:00 サマークラーク生と面談・夕食
19:00~20:00 後輩から提出されたDD書面のレビュー
20:00~2:0  諸々書面の雑多な作業
2:30~3:3   帰宅・ビール飲んでプレステ・就寝

☆五大事務所の魅力

①先輩が優秀
先輩に優秀な人が多いので、自然と自分に対する期待値も上がり、成長速度が速い

②お金に困ることがない
給料が高いのはもちろん、働いた時間が給料にしっかり反映されるのでやる気アップ!

☆五大を目指す学生にひとこと

「頭でっかちに五大に絞るのではなく、色んな規模の事務所を見て、自分に合う法律事務所を見つけるのが良いと思います。五大の中だと、待遇面や仕事内容等、正直どこもあまり変わらないので、それより他の規模感の法律事務所と比べることが大事だと思います! 
そして、英語を日々の案件で使う割には、日々の業務に忙殺されてなかなか勉強できないので、今のうちに勉強をやっておくことをお勧めします!」

2人目 某五大法律事務所弁護士 Bさん(74期)

(ほぼ全ての五大事務所から内定をもらったスーパー弁護士!)

☆プロフィール

出身大学:慶應義塾大学(大学3年次に予備試験に合格し、4年次に司法試験合格)
専門分野:労働人事訴訟(株主代表訴訟・独占禁止法・労働法関係の解雇)
趣味:サウナ・麻雀・旅行・焼肉

☆就活の流れ

五大事務所を知ったのは伊藤塾に入塾した時。最初は特に興味がなかったが、サマークラークに参加したことで企業法務の面白さを感じて、意識し始める。

【学部3年生】 
西村あさひ法律事務所のサマークラークに参加(予備試験合格前)

【学部3年生】
他の五大法律事務所のウインタークラークに参加(予備試験合格後)

【就活解禁日】
正式な内定の電話📞
(ウィンターの面談の際に、「是非来てほしい!」というお話があったそうです👀)

☆1日のスケジュール

👀Bさんには、平均した1日のスケジュール教えていただきました!

8:30~9:00 起床(前日遅くまで仕事をした日はもう少し遅くに起きることも)
8:30~10:30 家で仕事&準備
11:00~12:00 事務所到着 書面の準備やミーティング
12:00~13:00 ランチ(ビル内で販売しているお弁当を食べたり、友人と時間を合わせて外食したり)
13:00~21:00 書面作成作業
22:00 帰宅or飲みに行く(自宅ではNetflixや残った仕事を片付ける) 
3:00 就寝💤

夕方に帰宅して自宅で仕事をするときもあれば、深夜まで事務所にいるときもあるそう。平均すると21時!思ったよりも柔軟な印象でした。

☆五大事務所の魅力

①案件の種類の豊富さ
クロスボーダー案件が多いため、英語を活かしたい人には特におすすめです。

②人的ストレスがない
所属弁護士の人数が圧倒的に多いため、たとえ苦手な人がいたとしても、その人と仕事しないという選択肢が可能なので、人間関係で悩むことが少ないです。

③訴訟チームという選択
訴訟チームは、それぞれの案件のスケジュール感をある程度自分で組むことができるため、他のチームに比べて時間に追われる仕事が少ないです。一方でM&Aチームは、短期間で集中した作業が求められるため、大変そうです。

☆五大を目指す学生にひとこと

とにかくできるだけ早く、司法試験に合格してしまうことが一番です!
入所してからは、「英語を勉強しておけばよかった」と思うことが多いので、司法試験合格後は英語の勉強をやりましょう!いざやろうと思っていても、合格後は勉強なんてしないんだけどね…(笑)。

終わりに

いかかでしたでしょうか?五大法律事務所の就活や働き方について、少しでも皆さんに知っていただけたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!


The Law School Timesは司法試験受験生・合格者が運営するメディアです。「法律家を目指す、すべての人のためのメディア」を目指して、2023年10月にβ版サイトを公開しました。サイトでは、司法試験・予備試験やロースクール、法律家のキャリアに関する記事を掲載しています!noteでは、編集部員が思ったこと、経験したことを発信していく予定です。

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