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弟よ、結婚祝いはルンバがいいと思うんだが。

弟よ、知っとるかい?

部屋がきれいな男の方がモテるんやで。

この前実家に帰ったとき、読みたい漫画があったので部屋にこっそり入りました。お兄ちゃんは驚いたよ。いつからあんなに部屋、汚くなったの?

閉め切った部屋はホコリっぽくって、飲みかけの爽健美茶はパッと見ただけでも5個はありました。置きっぱなしの洗濯物は斜めに崩れて地面を占領してたし、本棚に並んだONE PIECEは23巻の次が40巻でした(空島編はどこにいったの?)。

ホコリだらけ、いや、ホコリマルケでした。

2段ベッドのある子ども部屋で一緒に過ごしてた頃はそんなことなかったのに!遊戯王も透明なスリーブに入れてしっかりファイリングするタイプやったのに!


この前、こんなことを言ってたよね。

「あークシャミ止まらん。イネ花粉かな?」

ちがうで、ハウスダストやで。


こんなことも言ってたよね。

「目、めっちゃかゆい。やっぱ花粉きてるわ」

ちがうで、ハウスダストやで。



そんなあなたが、ついに結婚すると聞きました。実家を出て、2人暮らしを始めると。

実はお兄ちゃん、こう見えて結構よろこんでいます。

小さいころのぼくにとって2歳差の弟というのは、一緒に野球をした友達であり、パワプロでは「中日ドラゴンズ」使いの宿敵であり、そして時には「お兄ちゃんの背中を見てついてこい」と言いたくなるような、かっこいいと思われたい存在でもありました。

それが歳を重ねるに連れて、同じ男同士、照れみたいな感情も出てきて、友達よりも「家族」の割合が多くなりました。仲は悪くはない、でも恋愛のはなしは恥ずかしくてしない、そんな関係。

大人になったあなたは割と無口で声も小さくて、この調子でどうやって営業の仕事をしているんだろうと、いつも不思議に思っていました。もっと無邪気にはしゃいでいた時期を知っているからこそ、「ちゃんと自分を出せているのかな」と心配になったこともあります。

でもきっと外では、家族に見せないような明るい表情をしているんでしょう。なんとなくわかります。そこはほら、やっぱ兄弟やから。


あなたには記憶がないと思うけど、まだ赤ちゃんだったあなたを、桶に入れたぬるま湯でお母さんと一緒に洗った記憶があります。ぼくも幼かったから記憶はおぼろげだけど、たぶんあれは実際にあったことなんだと思います。

今年で30歳、あなたは28歳。大人になって随分と経ちました。それでもぼくにとってあなたはずっと、2つ下の弟のままです。さすがにもう体を洗ってあげようとは思わないけど、何かあったら庇ってあげたくなるし、当然、心配になります。

そしてあなたのことを心配してくれる人が増えたんだと思うと、兄としてはとても心強いです。勝手に安心しています。時節柄まだ会えてないけど、いつかご挨拶できるのを楽しみにしています。

妹の彼氏に会うのはめちゃめちゃ緊張したけど、今度はなぜか大丈夫な気がする。思考がどんどんお父さん寄りになってきた30歳の兄です。(アンケートの年齢欄で「あ、もう20代じゃないんだ」としゅんとする気持ちは、あなたも2年後にはわかるはず)。



結婚祝いは、ルンバがいいと思うんです。


でも一度、奥さんと相談してください。何事も相談です。勝手に決めない。勝手にしていいのはサプライズでプレゼントを贈るときくらいです。


ところでさ、ONE PIECEの24巻はどこにあるん?


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