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#58 厄介な疾患 胸郭出口症候群

胸郭出口症候群』という疾患を
聞いたことはありますでしょうか?

近年では、スポーツをやっている方や
アスリートの方にも増えてきており、
特に野球選手では、手術をする選手も
増えてきてしまっております。

胸郭出口症候群とは
腕や肩の運動、感覚に関係する
神経、動脈、静脈の通り道が
筋肉や骨の影響で狭くなり、
神経症状や血行障害による
肩、腕、手のしびれや痛み、冷感、
手の動かしにくさなどを
自覚する状態をいいます。

女性の方が男性よりも
3倍なりやすいと言われており、
20代から50代の方がなりやすい
とされています。

腕から手に向かう神経・血管は
胸郭出口と呼ばれる物理的に
狭い箇所を通っており、
姿勢の乱れなどにより、
症状が誘発、悪化することが
あります。

胸郭出口には
主に3つの狭い箇所があります。

①斜角筋という首の筋肉と第1肋骨で
構成される箇所
②鎖骨と第1肋骨の間
③小胸筋と肋骨、肩甲骨との間に
構成される箇所

上記の箇所で神経、血管が
狭窄、圧迫を受けると症状が
出てしまいます。

症状としましては肩こりとして
自覚されることがあり、
腕や手のしびれ、ピリピリする痛み、
触れられた時の感覚の違い、
握力低下、手が白くなってしまうなど、
多岐にわたる症状がみられます。

厄介なところは、日常生活動作に
支障が出ることが多く、
長期間悩みが続きやすいことです。

胸郭出口症候群を良くするためには
まずは狭くなってしまった
神経、血管の通り道を確保する
ことが大切になります。

猫背をはじめとした姿勢の改善や
硬くなった筋肉、筋膜のリリース、
運動連鎖に基づいたセルフケア、
超音波やハイボルテージなどの
物理療法を組み合わせて行っていく
保存療法が基本的な改善の流れとなります。

保存療法でなかなか改善されなかったり
悪化してしまう場合に関しましては
手術療法の適応になることもありますので、
注意が必要になってきます。

胸郭出口症候群は
日常生活動作やスポーツ動作などに
大きな影響を与えてしまうこと
がございますので、
少しでも気になる方は、
しかるべきところで精査していただくことを
オススメします。