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プレゼントの正解とは

12年程前のある昼休み、同僚の妙齢女子が新しくできた彼氏から初めてもらった誕生日プレゼントについて、愚痴を吐いていた。
その理由はもらったプレゼントの中身が、やや古臭い某ブランドのアクセサリーだったからだ。そのブランドとは、私が高校生くらいの時に、当時の女子高生〜女子大学生くらいの間で流行ったアクセサリーブランドで、高すぎず、安すぎずの印象だが、20代半ば超えの女性に渡すには少し幼い&やや時代遅れ感が否めないブランドだった。彼女は「高校生かよ」と嘆いており、さらに続いて「しかも!正規店じゃなくて、絶対ドンキで買ってる」
「袋が正規店のじゃなかった。お店の紙袋は?って聞いたら破れたから捨てたとか言われたけど絶対嘘!」との事だった。ブーブーと文句を言いつつも、「こんなやつだけど」と言って早速身につけていたネックレスを見せてくれて、結局のところ「なんだよ惚気かよ」となったのはいい思い出だ。
他にも別の友人から彼氏がくれたプレゼントが「(彼女曰く)鼻くそダイヤのネックレスだった、マジいらないけど喜ぶふりだけした」や、「サマンサタバサは好みじゃないって何度も言ったのになぜかサマンサタバサの財布を買ってきた」などと男性からもらったプレゼントに対する愚痴を聞かされた事は数ある。
でも、そういえば同性の友人からもらうプレゼントの愚痴って聞いた事がないなと思った。私も今までにもらったプレゼントの中で不快に思った事などない。もちろん、正直のところ自分の好みとは違うものを頂いたり、せっかくもらってもうまく使いこなせなかったりする事はある。けれども、結局のところプレゼントって「自分の事を思って選んでくれた時間」が嬉しい物だからよほど突飛な物でない限り基本的には何を頂いても喜ばしいものである。
ところが異性から(特に恋人や配偶者から)となると、そこに「不満」が生まれてきてしまう。多分そこには「自分の事をどれだけわかってくれているか」や「どれだけ愛してくれているか」「どれくらいお金をかける価値があると思っているのか」など愛情を測るバロメーターになっているからだと思う。
ちなみにうちの夫は付き合った当初から「はっきり言って、サプライズで良いものを買える自信が全くない。だから欲しい物を聞くね」と明言しており、私もサプライズプレゼントは別に不要派だったので、それで問題はなかった。

ところで私は誕生日プレゼントを選ぶ際に、昔から「おまけ」と称して良くも悪くも複数のプレゼントをつけてしまう癖がある。若いうちはそれも楽しかったし「いっぱいある!」と喜んでもらえたが、いい年齢になった今、あまり細々した物を複数あげるのはなんだかかっこが悪い気がする。理想は「自分では買わないけど、もらうと嬉しいちょっと良い物」を一つ差し上げるのが大人っぽくてかっこいい(と勝手に思っている)。でも、この癖、なかなか治らない。一応メインの物を購入するも、あれこれ理由をつけて「あ、おまけおまけ!よかったら使って!食べて!」みたいな感じで渡してしまう。
当の私もそうだが昨今「ミニマリスト」やそこまでいかなくても「自分のお気に入りだけに囲まれて暮らす」などのライフスタイルが流行っているのもあり、不用意に物をあげるのもなあ、と思い始めている。なので最近のおまけはもっぱらお茶やお菓子などの「消えもの」か、読書好き仲間なら気持ち程度の額の「図書カード」を添える事もある。

そういえば短大の時の友人に、毎年とてもセンスの良いプレゼントをくれる子がいる。彼女からのプレゼントは私の事をよくわかってくれているなあと思う物が多く、嬉しくなる反面、ちくしょう…私も次こそはもっとセンスの良いもの選びたいぜ…などの悔しい気持ちもちょっぴり湧いてくるのである笑。

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