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我が子が笑われ、決意したこと

重い話ですが、読んでもらえると嬉しいです。

知的障害のある長男が笑われました。私は落ち込み、泣きました。しかし、周囲の方の支えにより立ち直り、ある決意をしました。
「話そう、それしかないんだから」


【目次】
・経緯
・慰めと激励
・決意

【経緯】
現在3歳児の長男は、重度知的障害の自閉症。発語も言語理解もなく、コミュニケーションは困難です。

長男と私が通う療育園(障害児の園)は月に2回「交流」があります。普通の保育園の4歳児クラスに、障害児の親子2組と、療育園の先生1人が加わり一日を過ごします。そこで、長男が笑われました。

給食の配膳中、待ちきれない長男はイライラして奇声を出し始めました。隣にいる私が背中をさすり「もうすぐだよ」と声をかけますが、奇声が出てしまいます。

すると、同じテーブルの園児たちが笑い出しました。長男が「いー!」と言うと、園児たちが笑う。「ゆゆゆー!」、また笑う。

園児たちはワクワクとした顔で、本当に無邪気な顔で、次の奇声を待ちわびるようになりました。隣のテーブルの子まで、身体を真後ろにひねって長男の顔を覗き込んでいました。

「びびびー!」さっきよりも、さらに大勢の園児が笑いました。

ショックでした。
園児達に悪気はない、それは分かっています。でも辛いのです。どうすべきか考えたいのに頭が回りませんでした。

苦しい、悲しい、辛い、やめて。

そして、さらに私をどん底に突き落とす事がおこりました。給食を配膳中の、療育園の先生と保育園の先生の一言です。

「もー、この子たちは何を見ても楽しいのね」「ほんとね」
ほほえましい光景ね、と微笑んでいました。

完全に心が折れました。

ようやく配膳が終わり、早食いの長男はあっという間に食事を終えました。私は長男の手を引いて逃げるように部屋を出て、廊下で思い切り泣きました。

何もできませんでした。目の前でこの子が笑われていたというのに、何も。

その日のうちに、療育の先生に悲しみと怒りを訴えました。先生は、長男は給食が嬉しくて奇声を出していたと思ったそうです。長男の顔を一秒でも見ていれば、嬉しい奇声ではないことくらい分かるのに。

とはいえ先生は何度も謝ってくれ、交流先の保育園の先生とも話をすると言ってました。

長男の顔を見てくれていなかった先生への怒りはあります。しかし、今回の一番の問題は、私です。私が何もできなかったことです。


【慰めと激励】
・慰め
その日の夕方、ママ友が連絡をくれました。一緒に交流に行ったもう1組のママです。離れたテーブルから一部始終を見て、心配してくれたのです。お言葉に甘えて電話をしました。「先生達のあの一言はなかったよね~」と言ってもらえて嬉しかったです。本当に人のことをよく見てくれていて、尊敬します。ありがたい。

・激励
小学校通常級の低学年の担任だった義母に話しをしました。大いに慰めてもらった後で、激励をもらいました。以下は義母の言葉です。

「あなたが強くなるしかない」
障害者を見下すことを覚えるのが小学校低学年くらい。それがいけないと理解するのはもう少し後か、残念なことに一生理解せず大人になる人もいる。今回、悪意のない笑いでもあなたは辛かった。だけどこの先、悪意をもって笑われる場面、罵倒される場面は何度もある。その度に何もできず、泣くだけではいけない。少しずつでいいから強くならないと。

「話すしかない」
私(義母)が出会った障害児の母は、健常児の同級生にたくさん話しかけていた。「この子は今〇〇って気持ちだよ。だから、〇〇してあげてね」と。まだ子供だから分からないなんて思わず、遠慮せず、話す。賢い子は必ずいる。今、せっかく親子で交流に行っているのだから、あなたが話すしかない。伝わらなかったとしても、話すしかない。


【決意】
ママ友に慰めてもらったおかげで、義母の激励が素直に胸に届きました。

義母の言う通りです。今回私は、ただこう言えばよかったのです。「笑われちゃうと悲しいな〜」「この子はご飯が待ちきれなくて困っているんだよ」「もうすぐだよって、言ってあげてね」と。

我が子が笑われている中で、泣かずにそう言うためには、強くないといけません。

今回のことは本当に辛くて、思い出すと涙が出ます。けれど、私がこの子を守り生きていくために、必要な出来事だったのだろうと思います。

私には慰め励ましてくれる人がいる。だからできる。

「話そう、それしかないんだから」

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