カーヴァーの描く日常

僕が、産地巡りをする上でとても大きな影響を与えてくれた、小説がある。
レイモンド カーヴァー の大聖堂という村上春樹さん訳の短編小説だ。

物語といえば、大抵において、主人公がおり、主人公がまぁ変わった、突出したものをもっていて、世の中をかえていくとか影響を与えるとかそのようなストーリーが多い。

レイモンド カーヴァーさんの小説に出会ったのは訳をしている村上春樹さんの影響で読みはじめたが、カーヴァーの人の何気ない日常とそれに潜む社会問題や格差、悲しい出来事やつかの間のの喜び。
大きなことではなく、小さな何気ないの日常の積み重ねがあるからこそ、明日の自分がいて、回りの方がいて、楽しいことがあって。
そんな日常の小さな暖かさをカーヴァーは描いている。それを言葉で描写するのがとてもうまい。
彼が描く20世紀前半のアメリカのブルーカラーの社会的地位の高くない人たちの生活。

彼の書くなんとない人の小さな幸せや悲しさ、そらに絡む家族の、人の優しさすべてが尊い。
日常に愛があって、大切なことがある。
漁師さんと一口に言ってしまえば、それでひとくくりに定義される。でもそうじゃない。絶対そうじゃない。
今日寝違いで首がいたくていたくてしょうがないけど、いかなければならないとか、午後は
部品のここが壊れてしまったから直さないといけないとかそんな何気ない日常の面倒がとっても愛おしい。
ひとつひとつの人の想いを汲み取ってこれから自分の仕事を通して形にしていければなと思います。


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