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31漬物・10(品質維持)

某量販店の納品先店舗で、品質劣化が著しいという報告を受けたので、その店舗担当者に先ずは謝罪をしようと思って、入れ替え分の商品を携えて急行した事がある。劣化原因予想はできていたが、その確認も目的としていた。
しっかりと、冷蔵棚内に商品は収まっている状態であるが・・・・。
横にバックヤードにつながる両開きのパタパタドアーが有る事に注目した。
そのバックヤードを出入りする開け閉めで、ドアが起こした風が冷蔵棚に吹きかけているのが確認できた。冷蔵棚の温度計センサーはその反対側の床板下の隅のよく冷える位置にあり、その位置の温度で管理されているものであった。即ち、不良商品の発生した冷蔵棚の一部分は冷えていない状況が生まれていた。売り場担当が定時確認する冷蔵棚内温度計も同様で、冷たい場所の温度を表しているにすぎない。8尺幅(約240cm)の前面オープン冷蔵陳列では、そのような外的要因による温度異変が起こりえる。
解決には、売り場担当者を含めた販売方法の変更が必要になった。

《異物混入の防止》
商品に異物混入を防止する事は、商品を製造する製造者としては最重要の防止策を講じなければならない項目であろう。衣・食・住に関わる製品、工業製品に於いて全ての生産物に於いてだ。異物混入した事が原因で、著しく性能が低下する場合もあろうし、混入が有れば受傷や疾病の原因にもなる。
しかし、厄介な事に、混入を100%防止するには限界が有る。どうしても、超微小割合で発生を許してしまうのである。
この対処法は、鋭い目視観察による、出荷までに至る過程での発見と削除に頼らざるを得ないのが実際であろうかと思う。
しかしながら、そんな目視観察でも見つからずに、不幸にもお客様の元で発見されて苦情をお聞きする事もある。私も、数度遭遇した。小バエの混入。
お客様は、どの件でも、刻み壬生菜漬の食す前の盛り付け時に発見されたものであった。事故品を持ち帰る事と、お詫びと代替え品をお持ちする為に当然として面談をさせていただくように私はする。で、その事故品をそのまま食品検査会社に検査依頼をするのである。検査項目として結果が出るのは、正式な虫の名称と生息域と防止方法アドバイス等。その虫の混入が有った製品の詳細や、その虫の生息域や生息限界が、これまでに検査した商品に混入した虫のデーターを食品検査会社は莫大に有している。例えば、関東圏にのみ特徴を有する虫が混入していたとすると、自製造所での混入では無い事が分るという具合だ。私は、単純に虫は、何処にでも同じように居てその種は全国均一だと思っていたが、違うようである。そういえば、何かの番組で見たが、近畿圏で、フンコロガシの色は主に三色に分かれるが、各色の分布密度が生息場所によってに分かれるとの認識が有る。

先日の記述でも述べたと思うが、欠損した事や損傷した事に気付く事も異物混入の被害を防ぐ手段でも有る。その欠損したり破損した相手方(欠片等)を発見しないと混入している恐れがある事を考えなければいけない。
例として、某漬物事業を起業する為の指導先での出来事であるが、パートさんへの技術指導中に、一人のパートさんの手袋の指先が破れていた。聞くと2日前よりそのまま使ってたらしい。理由を聞いたら「まだ使えるから、交換はもったいないと考えた。」と。これは、ダメなのである。破れた時点で、その破片はどこに行ったのか?を調査しなければいけない。でも、異物混入防止を第一に考える事と、このもったいない思考からの変化させる指導には苦労した覚えが有る。「モノを大切にするのも大切だが、商品安全性を考える方がもっと大切だ!」を徹底して言い続けたのであるが、永年主婦歴パートさん達には染みついた思考は、変わらなかったかもしれない。

《生菌検査と賞味期限》
自製品が適切な管理下に於いて、どのように朽ちていくかを知っておく必要が有る。その指標となるのが品質変化の観察と発生した生菌数検査が有効である。小規模製造者は検査を行う事が出来ないと思うので、専門検査機関や検査企業に依頼をする事になるが、品質を一定に保ち安全性を裏付ける重要な検査事項なので、各製品にこの検査を、年一回の頻度で1回に数品目の検査を外注していた。同じ商品で検査結果が、毎年違うのも不思議で、生菌数増加スピードが速い時や遅い時が有ったりするのが、何故なのかの原因解析に悩んだ事もある。
当時、漬物製品原体1g内に存在する生菌数は、厚生労働省の定める値は。10の6条個以内と記憶する。重要項目として、製品内に全ての食中毒菌類の存在に関しては、⊖陰性が求められていたはずだ。
詳しくは、詳細に【厚生労働省 食品生菌数 基準】で検索をして確認をお願いしたい。

《原料・原材料の管理》
原料野菜保管については、注意を要する。少々に痛みや、傷はその部位を削除して加工使用すれば問題はないという観念である。その部位は表面だけで、内部まで及んでいるような場合が有ったら悲惨である。これらは、安易によく言われたり習慣となって平然とした日々の行動になってしまう場合が有るが、全くの間違いで、良い製品を製造しようとすると障害となり、消費者の方々に申し訳の立たない行為である。
真摯に製品作りを行う製造者なら、原料野菜管理にも細心の注意をして、保管方法に於いて衛生保管するという観念を忘れずに実行し、原料入荷後は短時間のうちに加工手順を行えるような、原料納入を行わなければならないと断言したい。原料の良否は、製品品質の良否の90%以上で、成果に影響を及ぼす。

先にも記述をしたが、製品を安全供給する為の品質維持に付いては、
厚生労働省が指標する基準を順守する事が必須である。
その指標は、熟知する必要が有り、指標の文面はいつでも確認できる状態にしておくことが、製造者の責務として望ましいと思う。

さて、漬物に関して、稚拙な文章で、説明内容が十分でなく、欠格している内容もあるので、全ては、厚生労働省の指標を参考にして欲しく思う。

次回で、ひとまず、漬物に関しての記述を終了する。
まだまだ、記述する内容を掘り下げた内容を記述する事も必要かもしれないが、なかなか、記述内容をどのように説明していくべきかの整理ができていないのが記述をしながら気付いた。

ではまた。今回はここまで。
次回をよろしく。

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