渡邉康太郎『CONTEXT DESIGN』コンテクストデザインを読み解く
今日は以前読んだ面白い本を紹介します。『CONTEXT DESIGN』という本です。あまり聞き慣れない言葉だと思います。
著者は渡邉康太郎さんと言う方で、「Takram」という会社で「コンテクストデザイナー」という仕事をしております。
まずは、「コンテクストデザイン」とは何かを以下に引用します。
今回は、本書を読んで私が気になった言葉を3つにまとめてコンテクストデザインを読み解いていきます。みなさんの参考になれば幸いです。
1弱い文脈と強い文脈
具体的に言うと、強い文脈とはテレビのコマーシャルや広告など現在のビジネスで価値があるものといわれていることですね。メッセージ性が非常に強く、できるだけ多くの人に伝えきることを目的としたものです。
確かに、大きなビジネスにとってはコマーシャルや広告などで商品をアピールし、利益につなげています。利益を追求するためにはとても大切なことです。
しかし、個人がそのコマーシャルから意味を見出したり、自分の生活を豊かにすることはなかなかないのではないかと思います。それが、「強い文脈の弱さ」ですね。ただ、良いCMもありますよね笑
反対に、弱い文脈は個人の作品の解釈や自分の経験に基づくエピソード、私のブログがそうだと思います。自分の好奇心が求める作品に、自分の体験や感じたことをのせてブログを書く。
自分でも思いますが、非常に「弱い」ですね。ほとんどの人に読まれずにひっとりとそこにある。ただ、今後このブログを続けていくうちに、「弱い文脈の強さ」に気づいてくれる人が現れるのではないかと信じています。
また、引用文にも書いてあるように、誤読の可能性もあります。私がこの本を読んで表現したこの記事は、もしかすると渡邉さんの意図とは違うのかもしれません。でもそれでもいいのだと思います。
ただ読まれなくても、自分の「弱い文脈」は表現し続けたいなと考えています。
2社会彫刻
すべての人間は芸術家である。とてもいいなと思いました。私は、今まで作品を作ったことがなく、芸術に関しては疎かった人間でした。
しかし、このボイスさんの定義によれば私もしらずしらずのうちに芸術家になっていたということですよね。この「社会彫刻」のおかげで自分で自分の価値を再定義することができました。
例えば、わたしの今の仕事も芸術であると思います。むしろ教育を考え想像することこそ芸術なのだと気づきました。
家事からも芸術を見いだせるのも素敵ですね。私も今日は家事で社会彫刻をしていきます笑
コンテクストデザインはこの「社会彫刻」と繋がる部分が多いそうです。社会の一人ひとりはみんな表現者であると。その社会彫刻を他者が弱い文脈として読み取り、自身の社会彫刻へとつなげていく。
今私は、子どもの作品を展示する展覧会の構想を考えているのですが、できるだけ鑑賞者の社会彫刻へとつながるような展示を考えていきたいです。
それが、コンテクストデザインなのだと思います。
3森岡書店
コンテクストデザインの実践例として、著者の方は「森岡書店」を挙げています。森岡書店は私も何度も通ったことがあり、店主の森岡さんともお話をしたこともあります。
銀座の落ち着いた場所にある、1冊の本だけを扱っている本屋さんです。本当に一冊の本しかないのですが、かえってそのことがより本の世界に深く沈み込むことができます。
本書では、森岡書店は2つの誤読があったと述べています。そのことを以下に引用します。
社会を誤読するということは、今の社会に疑問を呈すことです。今現在、書店業界は存続の危機になると考えています。Amazonのようなオンラインで多くのジャンルの在庫を抱えている書店には個人では太刀打ちできません。
ですが、森岡さんはそんな社会は違うのではないかと社会を誤読しました。1冊の本にたまたま出会い、底から始まるなにかがあるからこそ、森岡書店を作ったのだと思います。
私も、森岡書店に行ったときに森岡さんの強い文脈に惹きつけられ、自身の弱い文脈をつくることが何度かありました。
そのような経験ができることは本当に素敵なことだと思っています。私もいつかはそんなお店が作れるように、コンテクストデザインを学んで自分のものにしていきます。
実は、来週の月曜日、渡邉さんにお会いする機会があります。今から非常に楽しみです!
以上が、『CONTEXT DESIGN』コンテクストデザインを読み解く3つの言葉になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
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