バンコク・バンコク
ここバンコク。
全員が胸を張って歩いている。
それが嬉しくて、嬉しくて。
ビックマムの島みたいな。
全種族が集っているみたいな。
男なのか、女なのか、ナニ人なのか、何歳なのか、何者なのか、
この街ではそんな事、何でもよくなる。
はじめてカオサンロードでお酒を飲んだ時。
ゲイの男性が120%の力で踊り、
お店を盛り上げていた。飛び散る汗。
最後には、お客の8割が立ち上がって踊っていた。
レディーボーイたちは、
僕にウインクをくれるし、それも嬉しい。
半年前のある日、東横線に乗った。
目の前に、全身ピンク色の萌萌系の服を着たおじさんが座った。
おじさんの身体をしておじさんの顔をしている。
化粧などはしない。
平日は会社員をやっていたりするのだろうか。
僕はこの人を見た瞬間、
こんなんじゃダメだ。俺。と思った。
誰がなんと言おうと、
自分の好きな服を着なければ、
自分の好きな事をやらなければ、
自分の好きな人に会わなければ、
自分の好きな。
東横線で一度だけ感じた、こんなんじゃダメだ、俺。をカオサンロードでは数億回目撃する。
ベルギーのLGBTの方とカオサンロードを歩いた。ごめん名前を失念。
身体は男性だけど、女性の見た目。心は女性。
ベルギーでこんな格好をしていたら殴る、
蹴るをされると言う。
28歳でこれから学校に通うと言う。
やっぱりバンコクが好きだと言う。
この後、ベトナムに行くと言う。
Weedが好きだと言う。
それらが私の人生を変えたと言う。
彼女はベルギーで、どんな顔をして街を
歩いているんだろう。
眠れない夜も、あっただろう。
僕の悩みなんて、もしかしたら彼女の足元にも及ばないのかな。なんて考えたり。
僕の悩みは大抵、自分の力を使えば何とかできたりする事が多い気がする。例えば、昇進したい、転職したい、旅に出たい、彼女が欲しい。
でも彼女たちの悩みは一筋縄ではいかない気もする。自分の力ではどうにもならない。
性の転換、手術、自分の力ではどうにもなりにくい。
ただ、そんな彼女がここ、バンコクで自分を曝け出して、長髪の髪で、ネイルをして、お腹の空いた服を着て。
その姿が眩しくて、嬉しかった。
そう言えば3人で歩いたのだけど
途中からベルギーの彼女と、
もう1人の外国人が議論をはじめていた。
AIがこれから発達していったら、それは人間にとって有益か否か。という議論だったらしい。
めちゃくちゃ楽しいじゃん。
きちんと相手の話を聞いて、
また話してを、繰り返す。
全く話に入れず、悔しい思い。
僕は賢者ではないけど、こういう話を何の根拠もなく語り合うのが大好きだったりする。
あぁいつか英語で、自分の浅はかな理論とかを解き放ちてぇ、語り合いてぇとなった。
英語ができたら、なんて言っていたのだろう。
縄文時代の、食べて飲んで寝て、踊って、それが1番の人間の幸せだったんじゃないか。と僕は思う事があって、そこから発展していくほど、人間の根源的な喜び、ダンスをするなどが失われていくのではないか。そんな事を話したかった。
我ながら薄い。
しかし卑下する必要はないですよね。
まだまだこれから。
カオサンを歩く。
歩いていると、
通り過ぎる人たちが彼女を見て、いいね!good!てな感じで挨拶する。
彼女は笑顔で、それに返事をする。
それを見た僕は、この街から離れられないかもしれないと思う。
もう数えるのも億劫になるくらいの人数と、
街を歩いた。
それも、
ここバンコクの磁場がそうさせるのか。
はたまな、モテ期の到来なのか。
虫にとてもモテてしまったけれど。
まぁそんなのどうでも良くて、まだまだ渦に巻き込まれていきたいと思う。
と同時にそろそろビーチに行きたい。
タイのビーチ。楽しそう。
渦めいているのかな。
どんな空気が流れているのかな。
自分の目で確かめてみよう。
ビキニたくさん見たいな。
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