花粉症の人は，病人扱いされないから症状が辛くても，それを理由に休養することが難しいですよね。でも，自身はかなり辛い思いをしているという人も結構多いのではないでしょうか。強烈な目のかゆみとかすみ，湧き水のように流れ出る鼻水，鼻詰まりからくる冴えない思考，無性に掻きたくなる喉の痒みと痛みなど，その辛さは半端ではないので，仕事に集中できないと思います。
私も19歳ごろから47歳ごろまで花粉症に悩まされていました。しかし，それ以降，症状は治まり，今は快適な春先を過ごしています。そんな私の花粉症に関する経過と体験をお話しします。花粉症で辛い思いをしている方々の参考になれば幸いです。

花粉症の発症
私は50年ほど前に花粉症を発症しました。ただ当初は，花粉症という認識はなく，1月に喉が痛くなり鼻水も出るので季節柄，風邪の症状だろうと思っていました。しかし，それが3年ほど続いた時に，ふと，いつも新年明けのこの時期だということに気づき，これは世間で言う花粉症というやつかもしれないと思いました。当時は，花粉症はまだ一般的な疾患ではなく，めずらしいものでした。よく考えてみると，喉が痛く鼻水も出るけれど，咳は出ないし熱もないから風邪の症状とは違うと思ったのです。しかし，花粉症に対する特別な薬はなく，症状が出ている時期はただひたすら我慢するしかありませんでした。

アメリカ生活で花粉症が軽快
発症して10年以上花粉症に悩まされながら迎えた30歳の春，仕事でアメリカへ渡ることになり，アメリカでの2年半の生活が始まりました。日本を出る時は花粉症の症状がありましたが，アメリカに到着してからは，生活のセッティングに気を取られていたこともあり，症状が継続していたか記憶にありません。アメリカでも花粉症は流行っていましたが，その原因になる花粉はスギ花粉ではなく松の木の花粉でした。幸い私の身体は松の花粉には反応せず，住んでいた地域に杉の木はなかったので，私は花粉の時期を快適に過ごすことができました。

帰国後の経過
帰国して5か月ほど経過し迎えたスギ花粉の時期に，なんと花粉症はほとんど発症せず，翌年も鼻水が少し出るくらいで済みました。しかし残念なことに，その後は毎年，発症するようになりました。ただ，20歳代のころとは異なり，鼻詰まりに効く点鼻薬など，症状に合わせて使える薬が登場していたので，少しは楽な状態で花粉の時期をなんとか乗り切っていたように思います。

バナナの効果
花粉症が再発して10年ほど経過した45歳のころ，バナナが花粉症に効くという記事をみつけました。その記事は花粉症の人を対象にした臨床試験に関するもので，1日2本のバナナを約2か月間摂取した人は，バナナを食べなかった人に比べて，症状が改善したという報告でした。その効果は，バナナに含まれるアミノ酸の一種であるロイシンによるもので，さらに豊富に含まれるビタミンCも一役かっているとのことでした。そこで私は，さっそく花粉の時期にバナナを毎朝食べるように心がけました。その年は確かに何となくいつもより軽症で済んだように感じました。そしてバナナは好物だったこともあり1年間食べ続けたらどうなのか試してみることにして，1日1本のバナナを欠かさず毎日食べました。その結果，翌年の花粉の時期に花粉症はほとんど発症しませんでした。さらに1年間バナナの摂取を続けたところ，次の年の花粉の時期にはまったく花粉症の症状が出ませんでした。そこで，さらにバナナの摂取を続けていましたが，ちょうど並行して，ダイエットも始めたことで，バナナは糖類を多く含んでいることを懸念し，とりあえず花粉症は治まったのだからということで，ダイエットを優先してバナナの摂取をやめてみることにしました。

バナナをやめても効果は持続？
バナナの摂取をやめて1，2か月後に花粉症の時期が到来しましたが，症状はまったく出ませんでした。それから現在まで，およそ15年間，花粉症とは縁のない生活を送っています。バナナの効果が持続しているとは考え難いですが，花粉症の体質ではなくなったのだろうと思っています。

バナナの多様な効果と注意点
花粉症の時期に合わせて，1日2本のバナナを食べるか，時期に関係なく1，2年間，1日1本のバナナを食べ続けるかは，ご本人次第ですが，試してみる価値はあると思います。
バナナは，ロイシン，ビタミンC，糖類などのほかミネラルも豊富で，特にカリウムを多く含んでいて，筋肉のけいれんや心臓病の予防にも効果的です。足がつりやすい人にもお勧めです。
ただ，ラテックスアレルギーの人は，メロン，桃，バナナ，栗などを食べると口の中や舌に違和感やかゆみを生じるといった症状が現れるようなのでお勧めできません。注意してください。

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