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読書感想「友人の社会史」石田光規


この本は数年前に読んだのですが、少しきっかけがあります。
だんだん学生時代の友人と疎遠になってしまい
「友人の定義を調べたり、日本における友人関係の変遷を探ったりしたらどうか?」と思って読んだ気がします。

いつも思うけどなぜ私はこんな面倒くさい性格をしているのか。
常に考えが深くなり、気軽に深淵を覗きたがる。

要約すると、過去ムラ社会の日本では友人と言うものは同じ共同体の中に存在する生活と切り離せないものだった。
ところが、高度経済成長期に入ると共同体の代わりに会社がその役目を果たすようになる。
会社の同期は毎日顔を合わせ土日に家族ぐるみで付き合う一生の親友だった。

そして終身雇用制度が崩壊し、職場の人と密な付き合いをしなくなり、ネットが発達した現在では友人の関係はより一層複雑化する一方で、サードプレイスの重要性が叫ばれ誰もが友人を求めてさまようような事態になっているという感じで色々な事例が出てきました。

書き方が重めというか論文調のため誰でもおすすめできる本ではありませんが、私は読んでよかったです。

友人の定義と歴史的変遷を理解した気になった私はすっかり満足してしまい、誰にも連絡は取らなかった気がします。
一体どうしていつもそうなってしまうのか。

これを読んでくれている友人のみなさま(いるのかな?)これからもぜひ見捨てないでくれると嬉しいです。

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