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これでいいのだ!


思い出した。
今の自分に何が足りないのかなんて
何をすればいいのかなんて
何がしたいかわからないなんて
馬鹿なことばかり言っていて。

一番したいことは
ずっとしていたことだったのに。
どうしていつも、わたしは
一番大切なことばかり忘れてしまうのだろう。

人が笑うのを見るのが好きだ。
わたしが勝手に
絵を描いたり、飾りを作ったり
歌を歌ったり、踊りを踊ったり
お芝居をしたり、詩を朗読したり
好きなことを好きなようにしているだけなのに
みんなの見たことがない顔を
見ることが出来る。

可愛い顔。びっくりした顔。
ニコニコ顔。優しい顔。
感動して泣いてしまった顔。
 
そんな顔を見るとき
自分がどうして生きているのか
はじめてわかる
そんな気がするのだ。

だからずっとやっていて
介護の現場でもずっとわたしは
そればかりやっていて…
もうそれは
わたしにとっての演劇と全く同じ重さで
いつの間にかわたしの糧に
何物にも変えられない糧に
なっていた。

そんなことにも、はじめて気づいたのだ。

やりたいことは、ここにあったじゃない。
どうして、そんな簡単なことに
気づかなかったんだろう。

本当に本当に、やりたいことは
すごく楽しいけど
すごく苦しいものだから。

今日だって歌っていて
今はもうここにいない人を思った。
そうすると、上手く歌えるから。
あなたなら、こう歌う。
あなたなら、ここで涙目になる。
わたしは微笑んで、後のフレーズを引き継ぐのだ。

本当に本当に、やりたいことは
いつだってわたしの心を引き裂いていく。
本当に何かを愛したとき
人は真っ暗な荒野に立つものだからだ。

引き裂かれてもいいのだ。
今のわたしに守るべきものはない。
わたしは愛の真ん中に突っ込んでゆく。

今はじめて 
こんなにも自由だ。

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