見出し画像

原爆。罪。汚れた国。
月。謝罪。祈る人々。

加害者と被害者。
日米安保。CIA。
人身売買。麻薬。
富める者と貧しい者。
殺す者と殺される者。

そして、それをただ見ていることしか
出来なかった自分自身。

昔は、世界を変えたいと思っていた。
国連に入ったら、世界を変えられるのか?と
母に尋ねた子供の頃。
国連が、腐敗したひとつの組織にすぎないことなど知らなかった頃の話だ。

芝居をすることで、人の心に
愛や正義や、考えるきっかけを
投げかけられたらと思っていた。

貧乏も、自身を追い込む芝居の仕方も
無意識にどこかで
罪の償い、の匂いがした。

人類の罪は
わたしごときが背負えるものではないだろう。
わかっている。
わかっていて、でも
背負おうとしないのなら
何故俳優をやるのかと思うのだ。

背負えないものを背負おうとして
わからない傷をこの身に刻もうとして
わたし以外のあなたが
どんな思いで生きてきたのかを
教えてほしくて。

わたしが、あなたになることが出来る。
演劇とは、その唯一の方法なのだ。

この世界に、母がいるのなら
その母のように
今回の役を演じたいと願う。

人々が醜く汚れたなら、わたしもそうしよう。
美しく笑ったなら、それもそうしよう。

生きていた道を辿って
子供たちの人生を追体験するように。

深い学びを与えてくれた人生に
心から感謝である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?