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光り輝く

例えばそれは、忘れられない人の横顔。
例えばそれは、恩人にかけてもらった言葉。
例えばそれは、涙がとまらなかったあの日。

わたしもあなたも、光り輝くものを持っていて
それを贈りあい響かせあって、今がある。

はじめは無表情で無口だった彼女。
おとなしかった先生。
内気だった元俳優。

はじめて皆で歌った日。
はじめて練習をして演劇をした日。
はじめてみんなでお酒を呑んだ日。

彼女を失った日。
みんなのリズムがずれてきたこと。
忘れられてしまったこと。

その全てが美しいと言えたら、どんなにいいだろう。
わたしがそんなに強ければ、どんなに。

でも言えない、今はまだ。
忘れないで。
変わらないで。
呼吸を、もう一度あわせて。
そんな風に願ってしまう弱さが、今の私だ。

もっと強く。
しなやかに。
光り輝くような数々の記憶以外、何も望みはしないと。
すでに十二分に受け取ったのだと、高らかに世界に叫ぶのだ。

かつて光り輝いたものは、再び光り輝く。
そういうものだ。



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