ドラマ「Nのために」の作中であった言葉・感想等

放送当時、2014年辺りだったと記憶しています。私は「Nのために」というドラマが好きでした。今も好きだし、多分この先もずっと好きだと思います。

ざっくり言うと、とても悲しかった出来事を全てが終わった後の主人公の視点を中心に、他にも様々な視点で振り返るもの。様々な思惑が交錯した結果、あまりに不条理で凄惨な出来事を招き、そこを起点として物語が始まる。といった感じです。

それぞれが胸中に抱えた複雑な過去、愛、思いやり等。心理描写、情景描写、演出等もとても丁寧です。キラキラとした部分、爽やかさ、やるせなさ、葛藤、言葉に出来ないような感動的なシーンまでしっかりと描かれています。メリハリが効いていて、当時とても惹き込まれました。

ただ、ベースは基本的に不穏であり、とても重苦しい物語である事は否めないので、元気がない人や暗さに親和性が無い方には絶対にお勧めしません。特に導入部分が一番つらい。当時、こんなのってないよ…と思って見ていました。

最近になって今更サウンドトラックを手に入れましたが、
綺麗→不穏→束の間の安寧→不穏→不穏→綺麗→感動
という感じでした。
原作本は読んでいませんが、その原作者が湊かなえさんである事から作風をお察し頂ければと思います。───────────────────────
ドラマの感想については実際に観ていただいた方がいいのでこの辺にして。最近思い返して、こんな事を榮倉さん演じる主人公が度々言っていたなと思います。
「下は見ない、上を向く。」
境遇や運に恵まれず、つらい目に合う事があまりに多かったけれど、とても努力家で気丈な主人公でした。彼女は基本的に弱音を吐かないので、心が折れそうな時に、毅然とした表情でよく言っていたかと記憶しています。

今、私は自身の状況を幸せだとは思いません。ストレス管理で精一杯です。
しかし、頑張らなくてはいけない状況である事も確かです。だからこそ自身を奮い立たせる言葉として「下は見ない、上を向く」というマインドも大切かなと思いました。
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一部役者の方の都合上、地上波での放送は今後ないと思われますが、この文章を読んでご興味の湧いた方は是非動画サービス等探してみて下さい。一話が一番つらいので、それを超えれば恐らく大丈夫です。

しかし、再三言っていますが、元気のない方や暗さに耐性の無い方には本当に、本当にお勧めしません。
物語のベースが仄暗く、メインとなる登場人物は基本的に可哀想です。そして、つらいシーンは目を背けたくなる程に強烈な表現です。個人的には綺麗な終わり方だと思いますが、それと同時に最後まで暗さを残していた物語だと思います。

「Nのために」について思い返したという話でした。


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