北海道のフライフィッシング 桃源郷再び 第2章 『川での失せ物』
第1話
「桃源郷に再び行ける。」
このときのような高揚した気分は、人生でそうたびたびはないと思います。
しかし、私の釣りの相方として60歳でフライフィッシングを始めた義父は、もう72歳になっていました。そろそろ二人での釣行は終わりを迎えるかもしれません。この旅を二人で行く最後の釣行と思うと、寂しさで気持ちが曇りがちになりますが、極力考えないようにして、それよりも、今回の釣行でさらなる大物がかかることを考えるよう努めました。
初日、十勝川支流を目指しました。橋のたもと