ビッパ@出っ歯

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14歳の栞

夏の気配を感じると必ず思い出すことがある。 中学校二年生の6月。期末テストも終わり、班の皆で理科の授業をほったらかして、夏休みがあと何日で始まるのか真剣に数えていたときのことだ。 正直、中学2年生の時の記憶は既に鮮明なものではなくなってきている。けれど、風通しの良いあの理科室で夏休みが来るのを心まちにしていた時の高揚感は忘れることができない。 あれから8年近くたったけれど、僕の中の14歳の栞はずっとこの場面に挟まったままで、夏が近づくと自然に開いてしまう。 14歳にきっ

    • 星が瞬くこんな夜に

      今この文章を深夜の公園で一人かいています。 人生はとても辛いです。 人と人を比べることはもうたくさんだと思います。 何故かいつも自分が比べる側に立つことはありません。 いつだって雑魚のままです。 目の前に人が通りました。 ガン見されます、それはそうでしょう。こんな寒い夜に、こんな時間に、こんな駄文を書いてるのは障害者です。 来世は人間にはなりたくたいです。東京タワーが見えるタワマンの一室で飼われる猫になりたいです。 猫になって金持ちの家のオーダーメイドカーペットに糞をして

      • お綺麗事ですわー!!

        少し前、流行りの性格診断を行った所 INFJ‐Tという烙印を押された。 やっといて言うかねって感じだが、そもそも人間の性格がたかだか10数個に分類できると思ってることがめでたい位に馬鹿だと思ふ。 「私はINFJ‐Tだから、就職とかに向いてない」 「僕はこんな型だったから�����だ」 何て言うのはアルファベット数文字に責任の所在を押し付けているに過ぎないと思ふ。 そうやって自分が不幸だと嘆いているのは構わないけど、それは世間から見たら何もしていないのと同じだ。 不幸で

        • 深夜、北風が街路樹を激しく揺らす。遠くから教会の鐘の音が耳をつんざくように響く。私はいつからこの場所にいたのだろうか。記憶がまるでない。もうずっと長いことここにおり、この場所で生まれたような気さえしている。私は金属の歯車だった。正確にはスパーギア(平歯車)だった。歯車の中で最もありふれているといってもいいかもしれない。何の変哲もなく、幼児の手にもやすやすと収まってしまうような存在、それが私だった。そして現在、木枯らし吹く風に運ばれ、通りを行ったり来たりしている。 向かいの路

          弱者①

          ポは今日久しぶりに外に出て電車に乗ったゾ。 ベビーカーに赤ちゃんがいてこっちをじっと見つめて来たから久しぶりにほっこりしたゾ。 でもポッチャマがにこって笑いかけたら、大号泣して始めて暴れたゾ。 ポッチャマはこの前駅のトイレで用を足したんだゾ。ポは綺麗好きだから必ずウォシュレットを使うんだゾ。水の勢い強すぎて初めてお尻から出血したゾ。 ポはHSP気味だから目上の人に頼まれたら何でも断れないんだゾ。目上の人にいい返事ばかりしていたら、気づけばほぼ最低賃

          飲み会からの帰り道、誰もいない国道沿いの道を歩きながら、一期一会だったかもしれない飲み会での出会いに想いを馳せていると、 急に僕の影が僕に語り掛ける。 「歩道から外れて5,6歩内側に踏み出せば、君は解放されるのに」 僕は言う。 「いくら僕が精神に異常をきたしていたとしても、僕はそんなことはしないし、第一それをしたら轢かれて死んでしまう」と。 影は言う。 「その通り、俺はそれを提案しているんだよ。だって考えてみておくれよ。君が仮にこのまま生きていてなんの社会に役にたつんだ。」

          厨二病、時々懐古厨

          最近、しばらく会っていなかった親戚が余命宣告をされたという話を実家で聞きました。その人とは小学生、中学生くらいまでは頻繁に会っていたのですが、高校、大学となってからはめっきり会う機会も減っていました。個人的な時間の感覚として2013年とか2014年というのはそんなに遠い過去の時間軸には感じないのでこの話を聞いたとき、この間までは元気だったのにと思います。 僕が思っている以上に10年の時は重いようで2013年くらいに生きていたけれど今現在この世にはいなくなってしまった顔も知ら

          厨二病、時々懐古厨

          村上春樹っぽい感じで浪人体験記

          昔々、といっても2,3年前のことなのだけれど、僕はその時とても不思議な夢を見ていた。僕はそのころ18歳で、大学受験に失敗して浪人していた。実家から東京の予備校に毎日通うのは体力的にも精神的にもきつかったけれど、費用のことを考えると誰に対しても文句は言えなかった。 その人が現れる夢を見るのは決まって模試の当日だとかそれの返却日だといった大切な日ばかりであった。性別だとか年齢だとかは今となっては思い出せないけれど、いつも夕日の差し込む静かな教室の中で一人黙々と、鉛筆をナイフのよ

          村上春樹っぽい感じで浪人体験記

          気分上々⤵⤵

          特技は人の顔色を伺うことです。けれど人見知りです。苦手なのは大声で怒鳴る人です。勉強は嫌いじゃないです、結構できます。運動は平均的です。将来の夢は図図しく他人に気をつかわずに生きることです。 他の人が自分のことをどう思っているか、悪く思われていないか心配になって眠れない人、何も手につかないという人、少なからず僕はそうです。しかし、他人がどう思っているかなんて伺うことはできても完全に読み取ることはできません。それで険悪になっても、すれ違いは結局運命で計算や思考ではじき出せるも