真ん中っ子の思考

真ん中っ子はめんどくさい。

真ん中っ子でも、目立つ真ん中っ子は例外。
兄弟の中で唯一の男の子(または女の子)とか、秀でた才能があるとか、他の兄弟と比べて断トツで容姿がいいとか。

つまり目立たない真ん中っ子がめんどくさい。

実は本人もそのめんどくささを自覚している。
そこが自分の嫌いなところでもあるし、好きなところでもある。


そのめんどくささを書いてみようと思う。
(完全な自論)



私は、性格の軸を決定するのは家庭環境と兄弟構成だと思っている。

小さい時から、他の兄弟より親や親戚たちからの関心が薄いことは事あるごとに感じていた。

夕食中、家族で会話していても私に話が振られることはほとんどないし、話したとしてもそこから話を広げられたことはあまりない。

先日、正月に帰省して祖父母の家に行った。
祖父母の家には孫たちの写真がそこかしこに飾られている。姉、妹、従兄弟たちの小さい時から大学卒業までの他愛のない日常や初めて記念日といった思い出を写した写真がびっしり貼られている。
そんな中、私の写真は成人式の写真屋さんで撮影した一枚のみ。The 記念写真。

ここでもうすでにめんどくささを感じると思う。
「成人式に綺麗な振袖を着せてもらって、写真を撮ってもらって、それを飾ってくれてるのに。」

分かる。その通りだし。
だけど、こういう自分しか気づかない、どうでも良いところでいちいちちょっと傷つく。

まあそんなこんなで、大人になった今では、それに傷つかないように自分を守るコツを身につけた。

一番効果的なのは期待しないことだと思う。
開き直る。みんなは自分に関心がないんだなって自覚する。

前にアダルトチルドレンか発達障害か何かの記事で、「泣かない子どもは不満がないんのではなく、泣いても親が手を差し伸べてくれなかった経験から、泣くことを諦めた」ってニュアンスのことが書いてあって、これに似てるなと思った。

自分に起こった嬉しい事や辛かった事、相談したい事とかを共有して「私に興味ないじゃん!なんで!」って思うストレスより、「どうせ興味ないんだろうな、私に」って最初から思って自分の中に閉じ込めておくストレスの方が断然軽い。

よく、真ん中っ子はマイペースとか、自由人とか言われるがその理由がこれなんじゃないかと思う。

泣いて助けてもらえないストレスより、泣かずに我慢するストレスの方が耐えられる。

だけど、ここでまためんどくさいのが、この我慢の副作用で、本当は関心を持って欲しいという気持ちが他の兄弟以上に強くなること。

だから真ん中っ子は家族・親戚以外のコミュニティでは案外目立ちたがり屋だと思う。

あと、自分の気持ちを共有してきていないせいで周りは基本的に自分のことを理解していないと思っているし、実際理解していない。
就活の時、他者分析として自分の周りの人に私の人物像を聞いてみたら全員全く違う答えが返ってきたこと思い出す。

だから、自分の真の理解者は自分だけだし、その自分を表面的に理解した気になって助言されたり、共感されたりすると、心底腹が立つ。

たまに、ちょっと助言したりしただけで、ヒステリックなほど怒り出したり泣き出したりする真ん中っ子がいたら、多分その助言自体が気に食わないというよりは、その助言がトリガーとなって今まで我慢して押し殺して来たストレスが一気に溢れているんだと思う。

「なんで何も知らないお前が、私に助言して来てんだよ。お前は私を理解していないだろ。私の中で大事に押し込めて来た感情を、理解したふりされてたまるか!」って。

ほーら、めんどくさい。

ほんとは関心を持たれたいのに、感情を自分の中に押し込めて、自分の中だけで大切に愛でてきたというプライドがあるから、素直になれない。

これが「真ん中っ子卑屈説」の正体。

真ん中っ子は自分の感情と人一倍向き合って来たおかげで、他の人の感情を見極められるスキルが身につく。

ある「感情」に対して、その感情が発生する根本的な思考や性格、気質、価値観などを結びつけて考えるのが得意。自分の感情を押し込める時に使っていた思考術が癖づいているから。

真ん中っ子が人付き合いが上手いとか、エスパーみたいだとか言われがちなのはこのおかげだと思う。

ただ、理解できても共感できるわけじゃない。
真ん中っ子は自分の感情や思考に対して、人一倍熟考を重ね、洗練されたものであるという自負がある。だから、相手が欲しいだろう言葉を見つけることはできるが、実際にそう思っているかと言われるとそうでもない。
自分の思考が1番正しいし尊いと思っている。

でもたまに自分のものさしに絶望的なほど自信を失うことがある。大体は2パターンで、一つは自分の感情を言い当てられた上で否定される場合。もう一つは自分のものさしが間違ってるかもなんて疑いもしたことがない人が愛されている様子を見た場合。

こういう時は自分のプライドがズタズタに切り裂かれる。中高生ぐらいの時は過呼吸になるくらい傷ついていた記憶がある。


総じて、真ん中っ子はめんどくさい。
誰よりも愛されたいのに、愛されることが苦手。

対処法は特にない。



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