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物欲だらけの私が紹介するのも恐縮だが。。。【 ぼくたちに、もうモノは必要ない。】佐々木典士


今週紹介しようと思った本は私が昔から大好きで読み返している1冊。

万人にオススメかと言われると個人差には敵わないと思うが " 高確率で頭に衝撃走る " と断言できる本を紹介しよう。



今回は


佐々木典士 著

ぼくたちに、もうモノは必要ない。
‐ 断捨離からミニマリストへ ‐

本書の説明前に著者について。


著者の佐々木典士さんは編集者をされています。
この本も自社であるワニブックスから出版されています。こちらは本書巻末の参照です。

初版が2015年なので情報を調べてみると今はフリーランスとして執筆されているようです
(下記note参考)

そして著者はミニマリストです。

【 ミニマリスト 】という単語を聞いたことがある人も多いかもしれないでしょうが改めて説明しましょう。

ミニマリストは、ものを減らして必要最低限のものだけで暮らす人やそのライフスタイルを指す言葉です。「最小の(最小限の)」という意味をもつ「minimal」からミニマリストの名称がつけられました。

参考文献 2023/12/7在

つまり必要最低限のもの、暮らしだけで過ごす人を指す単語です。

説明だけで理解は難しいでしょう。
本書の話に戻ります。


この本ではより少ないもの、いや自分が本当に必要なものだけで生活できるようになるためのヒントが数多く書かれた1冊です。

ミニマリストにならなくとも考えの一部だけでも生活の参考になるかもしれません。

それでは解説始めていきましょう。



現代人はモノも情報も「過多状態」


ミニマリストという生き方は今では多く聞きますし、一時期ブームとも呼ばれていたようです。

つまりモノが少なくとも生きれる世の中でもあるということの証明でしょう。

話は変わりますが世の中は情報のオンパレードです。
スマホ開けば新商品の情報です。
X(旧Twitter)やインスタを開けば多くの人の投稿だらけ。
テレビを付ければ新商品の情報、コカコーラなどの企業イメージ付けだけの映像ですら飲みたい欲が湧いてくることでしょう。

現代人が一日に受け取る情報量は江戸時代以前の人と比べ物にならないということです。


本書では現代人は5万年前から変わらないハードウェアと表現されています。

我々は原始時代から本質は変わっていないそうです。
どこで聞いたか忘れましたが、男性が強くいたいのも女性が守られたいのも「太古の昔からの名残り」だそうです。
それほど人間は変化なく進んできた生き物となります。

5万年同じままの人間に新しいバージョンが出ないとなればやれることはひとつ。
不要なデータ、すなわち不要なモノや考えを捨てろということです。

つまり必要不要が混じった今の自分、モノから自分にとって必要を残し不要を捨てろというのが一応の結論です。




人は欲しかったものに「慣れる」生き物


今更な話、私たちは何故モノをここまで溜め込んでしまうのか?と読んでるアナタも思ったかもしれません。
着る服もある、なのに「着ていく服がない」となるのも経験ありでしょうが同時に疑問にも思ったことでしょう。

本書には今持っているモノは過去の自分が欲しいと思ったものだと書かれています。

例えるなら

・5万円で買ったコート
・奮発して買った時計
・ローンで買ったマイカー
・ようやく見つけたいい間取りの物件

ライフスタイルで言えば 「今の仕事」 も該当するでしょう。
「しんどい辞めたい」と思いつつ履歴書を作成した時や面接に受かり、働き始めた時はワクワクしたはずです。


改めて部屋を見渡すと全部当時のじぶんが欲しかったもののはずです。

私の部屋にあるものだって例外ではありません。
・当時欲しくて仕方なかったレアカード
・使う度ワクワク止まらなかったバック
・コンサートツアーの度に買った写真

誰もが何かしら体験あるのではないでしょうか?

欲しい物を持っているはずなのに飽きてしまう正体。

いずれ「慣れ」が来てしまうのです。

人間は " 「差」を刺激と捉える生き物 " という性質があるのです。

その差にすら慣れてしまうというのが人間の恐ろしい性質ですね汗。

これはモノだけでなくスポーツで優勝した喜びすらも長くは続かないことが本書に書かれています。

人は達成した目標にすら慣れてしまう生き物というのは何度読み返しても驚きですね。




人は「自分の価値」をモノで表す


そしてモノを集めてしまう理由はもう1つ。
それが自分の価値を実感するため

人は、他人に認められたり褒められた時に価値を感じる生き物というのは読んでるアナタも体験あるかと思います。

「アナタのことが大好き」「あなたのおかげで助かった。ありがとう」など言われれば誰だって自己肯定感バク上がりでしょう。

ただ他人いや人生はそんなに上手く自分の周りで思い通りになるものじゃないはずです。

そんな世の中で手っ取り早く自分の価値を伝える方法がある。
それがモノを持つこと

優しいなどの「内面的な価値」は伝わりづらいという側面がある以上やられがちな表現方法が「外見をモノで表す」ということです。

" ピカピカなスーツに高級な革靴、腕時計 "
これだけで「自分は稼げる人」ということを一目で理解させる事が可能です。

いいモノを持つことで相手と比べて「自分とこの人とでここまで差がある!勝った!」という比較対決になってしまうわけです。

モノやブランドは簡単に「自分の価値」を表すことができるのです。

これに関しては善悪はない話です。
私も自分に自信を持ったり、身だしなみの意味でいい服を買っているので一概に悪い話とは言いたくありません。
自己表現や周りを一緒に歩く人のためにもキレイにしなきゃマインドで私も買っていますのでいい物を何かしら持つことはむしろいい事だと私は考えています。

ただ買う理由が「必要・誰かのため」か「見栄・比較」のどちらかで認識は変わると私は解釈しています。

先に答えを書くと「誰かにこう見られたい」「他人に認められたい」という気持ちだけでモノを買うのはナンセンスということになります。

これに関しては次の話で詳しく紹介していきます。



「モノ」はいずれ自分を損なわせる


・モノがある事に「慣れ」を感じるので新しいモノを手に入れることで刺激を得る。

・モノを使えば内面を知ってもらう以前に「自分には価値がある」と他人に伝える手段にできる。

先程の2つの復習です。

しかしこの2つを経たうえで深刻な問題が生まれます。それが

自分がモノの奴隷になる

ということ。

モノが増えすぎると"モノがあるという雑念が増えていくのです"

モノが増えればその分それを管理メンテナンスするための時間が食われていきます。
部屋のスペースが奪われていきます。
有名な話かもしれませんがモノが多い部屋というのはモノの家賃を払っているという発想を意識した方がいいということ。

モノを用いていた自分が、いつしかモノに支配される " という絶望的な構図の完成です。

そうして増えすぎたモノは、今度は逆に自分に牙を剥いてくる。時間も、エネルギーも「自分」と化したモノに奪われるはめになる。そうしてかつて自分の道具だったモノが、自分の主人になっていく。モノはもう機能のために使われるモノでも、「自分の価値を伝える」ためのモノでもなくなる。ついにモノは「自分を損なう」モノになる。モノが主人で、自分はその奴隷だ。

97ページ

書いてて自分でも恐ろしいと思った。

つまり自分が利用していたモノに支配され続けるという恐ろしい状況になります。

部屋を掃除する時にモノが退かすための体力を奪うツールになるというのは筆者である私も体験済みです(小声)

それにモノがあるというだけで自分の意識を奪うことにもなります。

つまりモノが多い生活は人生を脅かす存在になるというわけです。

ここまでの説明は本書でもそこそこ長かったので文章としては最低限に留めさせていただく形とさせていただきました。

これだけでモノが多いデメリットが伝わったことを祈りつつ次からは "モノを減らすメリット" に触れていきましょう。



モノを減らすメリット


お待たせしました。
ここからモノを減らすことで得られる利点を解説していきます。

沢山ございますが一部抜粋しての紹介とさせていただきますね。

◆時間ができる


まずは「時間的自由」を得られることでしょう。

分かりやすい例で言えば「買い物の時間」でしょう。
毎月ペースで服やバッグを買う生活から脱却できればどれほど時間が浮くでしょうか。

物欲を減らすことで "買い物に行く時間" を減らせます

そしてモノによって発生する管理やメンテナンスの時間も大幅に浮くことでしょう。

行列に並ぶ時間も減りますしメリットづくしです。

モノが減るので家事も楽になる場合もあります。


◆探し物の時間が減る

こちらもメリット大でしょう。

人は探し物だけでも一生に多くの時間を費やしているとも聞いたことがあります。

その無駄時間すら削減できるメリットは絶大でしょう。

どこに何のモノがあるか把握できる。
これだけで迷うという選択が格段に減ります。



◆掃除が楽になる


モノが少なくなるので掃除もしやすくなる。

モノをどかす→掃除→戻すという流れすら面倒だろうが。
モノが無ければ「掃除」だけで済みます

それに掃除するためのモチベーションも保てるので汚くなる前から掃除に挑めるというのも強みです。


◆引越ししやすくなる


これもデカいメリットです。

モノが少ないので荷造り、荷解きにも手間を取られないのはあまりに強い利点でしょう。

ミニマリスト上級者のような「トランク1つで引っ越せる」まで行かなくとも荷物運びの費用軽減は絶大です。

そして引っ越す部屋も小さくてよくなるケースもあるので家賃も抑えやすくなる事でしょう。

急な転勤などにも戸惑うことなく対応できる余裕も手に入るということです。



ザックリになりましたがこれだけでも物を減らすメリットが伝わったのなら嬉しいです。

とは言いつつ私も片付けから散らかりにリバウンド気味なので改めて戒めにします(小声)




モノを減らすと「今に感謝」できる


モノを減らすメリットは他にもございますが特に大きな恩恵こそこれ!という項目を別にしました。
それが今あるものに感謝できるようになるというもの。

部屋のモノが最低限になったり、多いものでも自分をときめかせてくれるモノなら自身のお気に入りしかない状況となります。

お気に入りのモノに囲まれる。
今ある最低限になるとそのモノが輝かしく見えるそうです。

・雨風を凌いでくれる部屋の存在
・2.3着だけど洗練されたスーツ
・人によっては「健康なライフスタイル」
・今繋がっている人間関係

その1つ1つの「今の感情」に集中できるわけです。

つまりモノが部屋にある状況というのは、それだけで私たちの雑念を分散させていたわけです。

せっかくなら手元にある1つに愛情を注げた方がいいでしょう。

これは体験してみないと分からない事なので文章のみだと伝わりづらいんですがモノを減らすと「残されたモノが輝いて見える」のです。

ひとつに絞った時計、お気に入りの勝負スーツ。モノを探さなくてもいいくらい綺麗になった部屋。

想像するだけでフレッシュな朝なはずです。

1つに絞ると書きましたがコレクション全てに愛着がある人など価値観は様々なので一概に言えませんが自分を"ときめかせてくれるモノ"や"必要最低限で残した1つ"を大切にするマインドを持った方が意識は変わるということです。

これは人間関係など否物質的な話も例外じゃなく、多くのコミュニケーション、コミュニティは持ちつつ"限られた数人との深い関係を大切にする"のも人生を楽に美しくしてくれるかもしれませんね。



人は「経験」には飽きない


ここまで書いてきてもピックアップし切れてない部分だらけですがこれで最後にしましょう。

人間はモノに「慣れ」てしまい、持ってるモノで価値を判断したり人と比べる生き物。

ということを書いてきました。

ではモノを減らす以外の解決策はあるのか?と頭を過ぎった人もいることでしょう。

ずばり モノより「 経験 」にお金を使え という結論に至ります。

解りやすい例で言うと。
「5万円で買ったコート」と「5万円で行った旅行」で得られる幸福は違うということ。

「5万円で買ったコート」は買ってから次第に慣れがきて新鮮味が無くなりやすいことでしょう。

「5万円で行った旅行」は形あるものではないものの、思い出す度に楽しかった記憶が蘇りますよね。

形のない経験はモノでは受け取ることのできない幸福を生み出してくれるわけです。

「自分が妻と行った沖縄旅行」と「彼が友達と登った富士山」のどちらが楽しいかなど比べようがないわけです。

「自分が頑張って取得した介護資格の経験」と「知人が頑張って取得した会計士資格の経験」

「自分が行った川釣り」と「相手が行った海釣り」

どれも比較の仕様がない。いや客観的に優劣ありそうに見えるが体験した自分自身の幸せは何にも比較しようがないということ。


この本を紹介させてもらっている私が1番言ってはいけないことでしょうが、筆者こと私も物欲だらけの人間であることは自負させていただく

最近は、そんな万年毎日金欠なじぶんに嫌気さしてきたのでお金にまつわる本や動画を過去以上に見るようにもしていて実践している段階ってとこです。

今回この本を紹介するのも、大掃除前に断捨離したいと思ったので改めて自身に言い聞かせるつもりで選んだのですが汗

しかし、そんな私でも経験に勝る投資はないと自信もって言えます

自分が今までに買ったモノの明細や引き落としを見ると結構暗い気持ちにもなりやすいです。

しかし
・知人と行ったコンサートの遠征
・普通の居酒屋で誰かと笑った体験
・支払い痛手だけど誰かと共有できた時間

最近で思い返してみても支払いして幸福度が上がったものは全て体験だったのです。


最近やりたい事も大金貯めてでも成し遂げたいというワクワクできるであろう経験ばかりですし。

私の大好きな1冊、世界的ベストセラーであるDIE WITH ZEROという本にも人間最後に残るのは「お金」ではなく「思い出」とリンク貼らせていただいた私の過去投稿にてピックアップさせてもらいました。

自分の人生が終わりに近づいたり、歳を取って昔ほど外に出ることができなくなった時。最後に浮かぶのは旅行や自己投資、誰かと共有した時間ではないでしょうか。

どんなに1人が楽、物欲だらけの人でも体験や人との時間はかけがいのない物のはずです。

話が壮大になりそうなので本書の話に戻します。

モノを減らすメリットは
・時間ができる
・掃除が楽になる
・引越ししやすくなる
・大きな部屋じゃなくても良くなる
・フットワークが軽くなりやる気に満ち溢れる
・自分の本当に大切なもの、価値観が見えてくる

そして「モノより経験に投資せよ」


ざっくりですが、一応がこの本書の結論です。




キリがいいのでこの辺で終わりにします。


私もミニマリストと真逆の人間ですが、モノを少なくするメリットのほんの一部だけでも参考にするだけでも意識は変わっていくことは声を大にして言っておきます。



本書には今回あげた以外のモノを減らすメリットが数多く書かれています。

・行動的になれる理由
・集中力があがる
・節約できる
・健康になれる
・人間関係が良好になる

など参考になる話が盛りだくさんです。

そして内容量の都合上はぶきましたが捨てる方法最終リスト55さらに捨てたい人へ追加リスト15という実際にモノを減らすための助言も盛りだくさんです。

・「捨てられない」は思い込み
・エネルギーも時間も有限
・明らかなゴミから捨ててみる
・「必要」なモノと「欲しい」モノを分ける
・「モノ」の家賃を払っているという思考
・「いつか」は永遠に来ない
・「心のときめき」を感じる

・本当に必要かどうか見極める方法
・「不便」を楽しむ
・モノの使い方の常識を疑う
・ミニマリズムは「手段」

など数多くの項目がアナタの人生へ手助けしてくれるかもしれません。


・大掃除前に断捨離から始めたい
・今の自分に何が必要か分からない
・人生ごと変えてくれるような思考に触れたい
・身軽になりたい
・行動的になりたい
・節約したい

など抱えている人に特にオススメです。

私も長いこと愛読してると言いつつ理解し切れていなかった点も多かったのでこの機会にミニマリズムを取り入れて良い新年を迎えましょう。






他にも読書感想の投稿をしておりますので気に入ってくださった方は是非マガジンから他の記事も見てくだされば私とっても喜びます。
今のところは週の後半を目安に投稿しております。
投稿時点の今だと忙しくなってきたため遅くなる場合もございます。
その時は申し訳ないです汗

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