さっきこんな記事を書きました。みずがめ座グレート・コンジャンクションについて思うこと、というもの。グレート・コンジャンクションとは今夜起こる、木星と土星が重なって見える20年に一度の天体現象のこと。星占い界では今回は200年に一度の節目とも言われている。

正直に言って、星占い師としてグレート・コンジャンクションが起こること自体は知っていても、おととしくらいはそんなに興味がなかった。（わたしはこの波に乗らないだろうな）と小さく思っていた。でも、去年から耳の早い方達から「グレート・コンジャンクションっていうのが起こるんでしょ？それってなに？？」って聞いてもらうようになった。（こんなにも星占いって浸透してきているんだ…！）と驚いた。それでいろいろなところでお話しするために改めて詳しく調べ直したり自分の中でイメージを膨らませているうちに、この木星と土星が重なる現象がとても身近で、大きなできごとに感じるようになってきた。気づけばノリノリで「グレート・コンジャンクション！！！！！」と叫んでいる日々だ。新時代がはじまる！！！！！

新時代というのは、この星配置が星占いでは200年に一度の節目に当たるとされているのもそうだけど、みずがめ座が星占いでは「革命」という意味を与えられていることにも起因する。SF映画よろしく最先端技術で持って、人々が種族を越えて理想の社会を追いかけるあの世界観がみずがめ座のイメージと言えば伝わるでしょうか。そんなふうに思っていたら今年に入ってあれよあれよと言う間に、オンラインで物事を行える環境が整い始め、ソーシャルディスタンスでほどよい距離を保ちながら、人種や性別などでのマイノリティへの世界的な関心が深まり、SDGsで地球規模でことを考えられる人が増えてきた。

社会が確実に変わり始めている。占いが当たるのかは分からないけれど、星占いの言わんとしていることと符合するようなできごとがこの春から増えてきて、星占い師はドギマギしていた。

でも、いいことばかりではなかった。既存の業態が大きな打撃をくらっている。その歪みは今すぐ影響のない業態へも広がっていくだろう。人々は感染拡大回避か経済か分断し、陰謀論が笑い種ではなく現実的に語られ、以前からあった対立構造が明るみに出るようになってきた。

世界的な大惨事の中で、誰もが不安だ。

グレート・コンジャンクションの記事でもときどき「新時代に乗り遅れるな」という啓蒙が書かれているのを見かけた。わたしもこの言葉を使って書いた記事があるかもしれない。もちろんこれはジョークというか軽口だ。新しい時代が来るかもしれない、それに合わせて柔軟さを持ってもらえたら、というひとつの表現だ。でも現実が実際にガタガタと変わっていく中で、この言葉が未来を夢見るためのものではなく、不安をあおるものに変わっていった。

わたし自身もここまで社会が変わるのを見ていて（ええ、占いが当たるからではありませんよ。たまたまですよ。）、2020年末のグレート・コンジャンクション以降はもっともっと大きく社会が変わるのではないか、それに合わせて人々の何気ない愛しい生活も変わり、たとえ多くの人を幸せにするものへ変わるとしても、「変わること」自体に少なくない人々が苦痛を感じるのではないか。そんなイメージが頭をよぎるようになった。まことしやかに「ノアの方舟」というキーワードもTwitterなどで散見されるようになってきた。時代の波に乗れる人と、そうでない人とが出てくると。

よくわたしは考えることがある。AIなど最先端技術が発達して、いろんな職業を人間に変わって機械が行えるようになると、たくさんの人が職を失い貧しくなるだろうとよく聞く未来像について。どうして便利さを求めて、仕事の負担を減らしたくて、人間が生み出したもので人間が辛酸をなめることになるのだろうと。一部の人が得をする社会、ということもできるけれど昨年ヒットした映画「JOKER」を思えば、一部の人に富が集中した世界はいずれ一部の人も暮らしにくい世界になると想像できる。それとも一部の人は今さえ良ければ良い人しかいないのだろうか。だけど最先端技術を研究しているのは恐らく一般の人たちだろう。発明が世界を救うことを夢見て。

ノアの方舟は、善き行いをした人とその家族そして動物たちしか乗れなかったとされる。現代でもここ1年、多くの人が「方舟に乗れる側」になるにはどうすればいいのかと不安でいっぱいになっている。でも…今夜、新時代のはじまりを告げるとされるほぼグレート・コンジャンクションのみずがめ座の木星と土星を眺めて感じたことがある。「ノアの方舟は意外とでかいのでは。」ということを。

星が星座を移動したり、星同士で重なったり向かい合ったりすると星占いでは何かが起こるとされる。何かがはじまり、何かが終わる。それが日々、宇宙で起こっていて、地上の私たちに影響を与えていると。もしかしたら確かに新時代ははじまっているのかもしれない。でも今も地上には多くの人がいて、きっと明日もまだいるだろう。みんな方舟に乗れたんじゃないか。もう、「方舟に乗れない側」を想像して他の人から何かを奪ったり、独り占めしようとしなくてもいいんじゃないだろうか。仏様の蜘蛛の糸は案外ごん太サイズだったのではないだろうか。

星占いでみずがめ座の持つ世界観は「イッツ・ア・スモールワールド」だ。世界中どこだって笑いあり、涙あり。みんなそれぞれ助け合う小さな世界。時流に乗ってスムーズに方舟に乗船できる人もいるだろう。乗り遅れる人もいるかもしれない。でも乗り遅れても大丈夫。他にも方舟はいっぱいあるんで♪なんだったらあなたが新しい方舟つくってもいいんじゃん？！ というのが、新時代のみずがめ座的ノアの方舟、そんなふうに思う。

また、私は昨日こんなことを考えていた。「暴力は、なくならないんだろうな。お金や、法律や、正しさや…そういう、"人の自由を奪ってもよいとされるもの"がなくならない限り。」と。暴力の多くは抗う力だ。人が暴力を使う時の多くは「必要悪」だと思っている。これについての答えは出ていない。AIの件もそうだ。でもいずれ、わたしたち人間が技術革新を重ねてAIが人にとって変わるようになった頃には、人の心の知力も成長しているのではないか。JOKERを生むこともなく。世界が求めるのはやっぱり…愛だろ、愛。

小さな頃のように星に祈ろう。
明日いいことがありますように。

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