ポケモンの展示に行ってきたよ〜
どうも〜ドッグです〜
国立工芸館の展示「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」に行ってきました。ポケモンも工芸も愛好家な人の母数はそこまで多くない思うので、文章を残したいと思います。
既存のアニメの表現をアートに落とし込む展示はこれまであまりなかったはずで、面白い取り組みである反面、とても難しい展示だったのかなと思いました。
アニメ・ゲームで既に世界観のある素材を解釈して作品におとしこむのが難しいうえ、ポケモンはストーリー構成や伏線回収をしっかりやっている話でありつつも、わかりやすく語られない部分も多くあるせいかと想像しています。
ポケモンの考察が好きな人は、首藤さんのコラムを読んだり、過去の資料からポケモンの制作秘話を知ったり、あるいは実際のゲームをプレイして、制作側からポケモンの設定を探っていくけれど、これはあくまで趣味で行うことで。普通の見方だとポケモンの背景の深掘りを行うのが難しいため、作品づくりのためにポケモンに触れコンセプトに落とし込むとなると、大変な作業だったんじゃないかと思っています。
その分、コンセプト設計が面白い作品は、とても素晴らしく感じました。
作品を見てみて
ポケモン自体の特徴を作品のコンセプトとする場合、ポケモンの世界や存在自体の不思議さ・面白さを伝えることにはならず、個々のポケモン魅力を伝えるに留まってしまうのが難しさだと思っています。かわいい・かっこいいのは素晴らしいが、アートとして提示する際にどのような見せ方が面白いかと言われると悩ましいです。(工芸はアートでなくてもいい側面もあるかもしれませんが、美術作品として見る以上アートとして見たほうがいいかなと思っています)
ポケモンのゲームから得られる体験をコンセプトに選んだ作品は興味深く感じました。
表現を見てみて
昨今のポケモンの映画やゲームで、ポケモンの質感表現が運営により考察されているため、ポケモンのテクスチャ表現に独自のものがあると、若干別のものに見えると感じました。
また、人物をあわせるときに、ポケモンのビジュアルはそのままにポケモンの絵柄と全く別の表現を行うと、すでにポケモンの世界で描かれている人物の表現との間の差異が生まれて若干不自然に感じました。
ポケモン自体でなく技などを表現する場合や、現実と少し被せた表現を行う場合、原作に描かれていないリアリティを感じて面白い感覚になりました。
つまり、すでに原作で表現されていることについて、別の表現を被せるより、描かれていない要素を加えるほうが興味深い見せ方をできるのではと感じています。
あるいは、意図的にデフォルメしたり別の世界観を当てたりするのも面白そうな気がします。
こんなのも見てみたい
ポケモン好きの方に、工芸に触れる機会をつくるなら今回の展示は多くの方が喜んでくれたのではと思います。小さい子も大人もかわいいと言いながら楽しそうに見ていました。ポケモンという内容から工芸に興味をもってくれた方もいるかもしれません。
ポケモンと工芸好きの視点から見ると、制作側もこれまで悩んだと言われる、以下のようなテーマを扱った作品があってもいいなと思いました(NGが出るのかもしれないが)。
ポケモンと食物連鎖(ポケモンはポケモンを食べるという記述があるが)
ポケモンと戦いについて(バトルはスポーツなのか)
ポケモンの世界と現実世界の対比(あるいは重なり)
伝説ポケモンで扱われているシリアスなテーマ
アートかつ本作に関連しない場だからこそ、こういうテーマを投げかけるような見せ方もできた可能性があるのでは…とも思いますが、こればかりは運営との調整もあると思うので、実際できるのかどうかわからないこともありますね…
最後に、こうしたアニメと工芸含むアートがあわさる場合、見る人がアニメ作品が好きかどうかより、作家がそのアニメをよく知るかどうかのほうが大事な印象を受けました。他のいろんな作品でも、こうした取り組みが行われると面白いですね!
ということで、感想おわり!
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