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なぜ夕暮れが好きなのか

記憶にある風景は、小学校の校庭。
うら寂しい音楽(うちの学校は「シバの女王」だった)が流れ、生徒に下校を促す中、私は西の空が赤く焼けているのをただ見ていた。

ませていたのかどうかは分からないが「美しい」という感覚は幼少期早くには宿っていたらしくて、夕焼けへの憧憬は、その神秘さと相まって、すっかり「夕焼けファン」となってしまった。
そしてそれは今も寸分違わないままだ。

仕事で、高齢の方との会話が多いのだが、彼らは一様に「夕焼けは寂しいから嫌」だという。
私はまだ、高齢者の仲間入りはしていないけれど、自分が年老いたとしても恐らくは夕焼けを嫌いにはならないだろうと思う。

最近は、見事な夕焼けに出会えても、腰を据えて只中に居ることが出来ないでいる。
仕事中の車内で見るだけでは、勿体無いくらいの時もある。
コーヒなど沸かしつつ(キャンプ用品を持参して)椅子に腰かけたままで、赤く染まる西の空をただ見ていたいものだ。
そんな贅沢が出来ればと思う。

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