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ジョナサン・ボロフスキーと「夢を買う」昔話

ジョナサン・ボロフスキー展にいったのは、いくつの時だっただろう。
今も、その時の図録を大事に持っている。

そして、この本は私のイチオシだ。
不思議な、なんの脈略もないような面白い夢の羅列に、
なんとも魅力的な線画の数々。

購入した葉書を額に入れて、飾っている。

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                                    I dreamed I was taller than Picasso.

サルバドール・ダリから手紙をもらった夢を見た。
 やあジョン、
平凡と前衛のあいだにはほとんど違いがない。
 それでは。         サルバドール・ダリ

そんな夢もある。
そして、全てに番号がついている。

一見まとめようのない、バラバラの作品群をひとまとめにくくって、
一つの序列を持たせているのが、この本にも収めた夢にも添えられている数字である。
これは、「カウンティング」と呼ばれ、特に意味を持たせた数字ではなく、単に「1」から「数え続けて」いるものだ。
一九六〇年代の後半、ボロフスキーがまだ二十歳代のころ、概念的思考を繰り返すばかりで行き詰まっていた創作活動のひとつの打開策として開発したのが、この無限に数を数えつづけること、カウンティングだった。以来、現在にいたるまで、ボロフスキーの作品には必ずこの数字が添えられるようになった。

と書いてある。
概念的思考の打開策が数字・・・というのも、
私には不思議な感覚なのだ。
ボロフスキーを知って、私も長くノートに夢を綴っていた。


それにしても、人の夢というのは、なんて面白いのだろう!

ユング系のアートセラピーの授業で、夢についても学ぶ。
ドリームセラピーは、夢の中のシンボルや色、情景など、
様々なパターンを読む。
そして、人生のどんな時期に見やすい夢なのかも知る。
夢の続きは見ることが出来る、とも言われている。
書き換えることも。

日本の昔話に「夢を買う」というのがある。
落ちぶれた商人と絵描きが旅の途中で大きな木の下で出会う。
商人が身の上話をしている間、絵描きはうたた寝をし、不思議な夢を見る。
その良い夢を、商人が絵描きから買い取る。
そして、その夢の通りに商人は大成功する、という話だ。

夢は潜在意識から来るとも言う。
起きて吹き出すような夢もあるし、なんでこんな夢をみたのかな?
という夢も、亡くなった肉親が出てくる夢もある。

私は、人生が変化する前に、大地震の夢をみた。
先生に話すと、
「おめでとう!」
と言われた。
足元が一度崩壊して、再生する夢だったのだ。

夢は現実より先にやってくるのよ、と言われて、本当だ!と驚く出来事だった。

夢と絵。
どちらも心の中を映している。

ちなみに、この本では原文と日本語訳を対比させた、94篇の夢が収録されている。





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