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『夜の歌』 天使の詩♪

ウィリアム・ブレイクの詩「夜の歌」には、
天使たちが出て来ます。


   天使たちが隊列をなし
   見えない姿で歩きながら
   みんなを祝福して回る
   一つ一つのつぼみや花びら
   眠れるものたちのふところを


見えない姿の天使が祝福のために訪れてくれたら・・・。
この時期、眠れない夜に安心を与えてくれたら、と思います。


昨年秋、地下鉄で天使のような男の子に出会いました。
その子は学ランを着ているけれども小さい子で、
座っている私の前で、にっこりと微笑んでくれているのです。
それはそれは純粋な愛らしい笑顔で。
私も微笑み返して、視線を下に向ける途中、赤い札が目に入りました。
ヘルプマーク。おかあさんがつけてくれたのかな?

席が空いて、あの子は反対側の椅子に腰掛けていました。
そのうちに間に人が立ち、姿が見えなくなって、
私は少し目を閉じていました。
うつらうつらとして、ふと目を開けると、
混雑する区間を抜けて車内は空いていました。
そして、私の隣にあの男の子が座っています。
がらがらな車内で、私の隣に。ぴったりと。

まぁ!ここに。ありがとう!

男の子は、にこにこしながら何か歌っているような・・・。
でも歌声は聴こえないのです。
また、目を閉じて、
何を歌っているの?  と感じようとしているうちに、
ふっといなくなってしまいました。
温かい空気が残されていました。

↑ 写真のディプティックイコンは携帯用で、縦が10センチに満たない
小さなものです。旅に持って行けるように折りたたみ式になっています。
フランスのルルドのものだそうです。
こんなふうに守られていると思うと、温かい気持ちになります。

どんな時でも。見えないけれど。


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