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アイスランドのチョルトニン湖の鳥たち

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 アイスランド国内で一番手軽にバードウォッチングができる場所はチョルトニン湖であろう。チョルトニン湖はレイキャビクの繁華街の坂を降りていった先に見えるReykjavik City Hallに隣接した大きめの湖である。夏は近隣住民や旅行者の憩いの場所となり、冬は一部を除いて全面的に氷に覆われ天然でちょっとガタガタのいけてるアイススケートリンクになる。また、個人的な感想だが、この湖周辺の家が可愛い。ここでは1年を通して約40種類の鳥がみられる。代表的なのは以下の鳥たちだ。

チョルトニン湖の鳥

 いちばん簡単に見つけられるのはオオハクチョウとハイイロガンだ。カモメ類も複数種みられるが、正直見分けるのはかなり難しい。カモ類は湖内で繁殖しており、春から秋にかけて雛を観察できるだろう。夏にはキョクアジサシが飛来する。近くの海辺で繁殖しているので、子供が近くにいる時がある。

 湖のほとりに座っているとオオハクチョウが何か欲しそうに寄ってくる。奈良の鹿のようにおじぎまでしてくるので餌をあげたくなるではないか。チョルトニン湖では鳥に餌付けをしている人をよく見かけるが、5月から11月の間は餌やりをしないでと呼びかけられている。餌をやることで空腹のカモメ類をたくさん呼び寄せてしまい、カモの雛まで食べてしまうことがあるそうだ。そうでなくても、過剰な餌は湖の水質を悪くしてしまうため、鳥は見て楽しむに留めておいた方が良さそうだ。

 よーく目を凝らしてみると、湖の底から水が湧いていて、そこに水生昆虫がいることがある。きっと地下から湧いてくる水は周りの水よりもいくらか暖かいのだろう(地熱のおかげ?)。冬、氷で閉ざされそうになっている時もほんのわずかに湧き出た水に集まって懸命に生きる水生昆虫を見ると、なんだか感動する。チョルトニン湖は空がひらけているので、秋から春にかけてオーロラを見れる良い場所でもある。オーロラと水生昆虫が一緒にみられる場所はおそらくレイキャビクだけだろうな、とちょっとお得な気持ちになれる。

 次回はキョクアジサシについて紹介する。

CK

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