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どうして日本人は中国人が嫌いですか

 私がここで中国での体験をおもしろおかしく書いている理由。

 それは政治以外の面で、中国人、特に若者たちのことを知ってほしいと思ったから。
 
 私が中国に行ってとても驚いたのは、私の周りの中国人が本当に親切で優しかったことだ。言葉もわからない私はずいぶん助けてもらった。

 特に私の教え子である大学生たちは、礼儀正しくて親切な子が多かった。

 そのうちの一人、日本語科の男子学生がある日私にこう言った。

「先生、どうして日本人は中国人のことが嫌いですか?」

 彼はある調査結果を見てショックだったという。確か、中国人が日本人に対する好感度が60%以上だったのに対し、日本人の中国人への好感度は30%ぐらいだったというもの。

「中国は日本に戦争でひどいことをされました。でも僕たちはそれでも仲良くしようとしています。なのにどうして日本人は僕らを嫌いますか?」

 彼は相当ショックだったようだ。

「それはね、日本人が中国のことを身近に知る機会がほとんどないからだよ。マスコミによる大げさな報道のイメージをそのまま持っているんだよ」

 近年でいうと中国人の爆買いのイメージ。

 でもそれももうずいぶん前のこと。確かに日本の電化製品は信頼度は高いが、中国も近年ずいぶん電化製品の質は上がっているし、旅行目的も買い物よりも体験や経験を重視する人が増えている。

 何より、日本人とちがって、旅行に来れるのは都市部の人や裕福な人。ほとんどの人は海外旅行なんて行ったこともない人ばかり。

 日本人だってまだ海外旅行も珍しかったころは、恥ずかしい旅行者だってたくさんいたはず。

 ただし今はコロナのイメージもある。

 でもなぜ日本人は政治=民間なのか。
 国への反感がそのまま民間人への反感になってしまうのか。

 ある日、中国でタクシーのおじさんがこう言った。

「山口百恵知ってる? 俺好きなんだよねー。政治のことはともかく、民間同士は仲良くしてこうな」

 こういうことかもしれない。

 中国人が日本のドラマや歌を見たり聞いたりすることがあるほど、日本人は中国の政治以外の面を知ることがない、知ろうともしない。

 だから「中国」という漠然としたニュースの政治のイメージですべての人を見てしまう。

 でもみんなどこも同じ。生活の中で同じように楽しみや悩みをもって日々生きている。知れば知るほど、同じなんだって親しみもわく。

 知らないから怖い、知らないから避ける、知らないから印象が悪い。

 そんなわけで私が中国でおもしろいと思ったこと、身近な中国人のエピソードなどを発信したいと思ったわけです。

 ふざけた内容も多いと思いますが、根底にはこのような真面目な思いもあったりします。

 お楽しみいただければ幸いです。

 

 



 

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