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ついにビザ申請成功!

前回のビザ申請失敗から今日まで


私の中国ビザ取得に向けての準備は八カ月前ぐらいから始まった。

勤め先の大学が、中国に戻る要請をしてきたのが今年の2月後半。
それから準備を始めたが、まあとにかくここまでたいへんだった。

苦難の末に何とかビザ申請の面会までこぎつけたのが一か月前。
が、しかし、私はそこで書類の不備があり、正午までにどうにもできずに失敗。

その時の経験を元にオンライン申請の方法から注意点まで書いたのがこの記事である。

今回はその後日譚。

まず、私は失敗した当日にビザ申請のオンラインサイトで予約をし直した。
サイトは改善されているので、前回予約に苦労した時のような苦労はない。
すぐにカレンダーも表示されて、一か月後には予約できた。

しかしここからである。

大学の招聘状は90日間有効。オンライン予約がなかなかできなかったこともあり、前回の予約日直後に有効期限が切れてしまった。

そこでまた大学に再発行を依頼する。

招聘状発行に必要なのは無犯罪証明と学歴証明。
今回、新担当に学歴証明は求められなかったので、無犯罪証明だけ再申請。
なぜなら、無犯罪証明も前回のが三か月の期限を過ぎてしまったからだ。

もう申請と受け取り合わせて、今年だけで6回は北海道警察に行っている。
無犯罪証明の係の佐藤さんは私の癒しで推し。いつも優しいし気遣いや配慮も素晴らしい。道警の良心。ほんと神対応。

まあ、それはさておき、指紋採取二回目で余計な仕事を増やして申し訳ない。

で、ここからこの無犯罪証明に公印が必要となる。
公印を得たら再び鬼門の札幌領事館で領事認証を得るという流れだった……が、なんと、11月7日より、中国大使館が領事認証を発行しないということになった。

それを日本の外務省証明班からの連絡で知った。

最初見知らぬ番号が留守電にあり、検索したら、電話番号検索口コミサイトに行きつく。

ここで証明班の人の態度が悪いと書いている人が二人ぐらいいたが、全然そんなことないですからぁ!!!!

まず電話かけてくれるだけ親切と思え。
しかも一度留守電だったのにまたかけてくれた。
そして領事認証の効力なくなるから、アポスティーユに切り替えるかどうか確認してくれた。

引き換え、札幌領事館はずっとメールの返事もなかった。
やっと返事きたと思ったら、短く一行、「11月7日から領事認証なくなるとサイトに書いてあるから見ろ」ってそっけないもの。

どうよ? この日本の外務省との違い。それでも証明班が態度悪いと言えるか? 電話かけた時も対応親切だった。もう、電話出てくれるだけでありがたいし、ましてやかけてくれたり、早めに対応してくれたり、サイトにはちゃんと説明もあるし、ありがたい。

まあ、そんなわけで札幌領事館が領事認証が有効な期間に間に合わせる気がないってのがわかった時点で外務省に連絡してアポスティーユに切り替え。

これはこれでよかった。
だって領事認証手続きのために領事館に行かなくていいもの。
領事認証の時6000円取られてるからね(ビザより高い)。
さらに徒歩圏内な上に書類だけなのになぜかゆうパックの着払いで800円ぐらいとられてるからね。

外務省だと370円のレターパックに返信用のレターパック入れても740円で済むからね!

切り替えを告げると早速アポスティーユで無犯罪証明が返送されてきた。
次のビザ申請予約まで残り一週間。

雇用通知さえ間に合えば問題はない。

ところが、ここでまた問題が発生する。

中国あるある無意味な要求

二回目のビザ申請日二日前。
大学の新担当から突然連絡が来る。

急に大学の上の人たちが「学歴証明もよこせ」と言ってきたらしい。
私は前回使用したものをスキャンして送る。

ところが、今度は「卒業式にもらった卒業証書も見せろ」と大学側が要求。

は?そんなのもう昔過ぎてどこにあるかもわからない。

一応母校に電話で確認してみると、そもそも大学が既に私に送付した卒業証明が正式な証明だとのこと。しかもそれは英語で書いてあるし、さらに日本語で書かれた卒業証書を見せろという意味がわからないと言う。

ほんと、その通りだと思う。

そもそも学歴証明要求の意味もわからない。
無犯罪証明ならば、前回から三か月経て新たな犯罪を起こしていないか確認したいということで理解できる。

でも、学歴証明再度請求の意味がわからない。
学歴がこの三か月で変わったとでも?

そもそも私はすでに契約もしていて雇用されていて給料ももらってる。

学歴確認は採用前にすることで、じゃあ、あんたら学歴もよくわかってない人間採用してたわけ?

しかも卒業証書見せろって何。そんな前例ないと母校の事務の人も言ってる。

そもそも大学で働いている先生方は優秀なんだが、大学に勤めてる奴ら(授業するわけでもないのに「先生」と呼ばれている)が曲者で、ほとんどが縁故で入ってくる。そのくせ先生たちより偉そう。

学生に対しても、無駄な労力かけさせて、相手が苦しんでいるのをみて、自分が偉くなった気でいる。授業中なのに学生を電話で呼び出したり、留学生の単位交換すらしてやらないし、懇願する相手を見て自分の優越感を満たしているんだろう。

まったく無意味で非合理的なことをやっているのはいつものことで、何言っても無駄なのはわかっている。

だから私はとりあえずビザ申請の時に大学との契約書類を代わりに持っていこうと思った。それで受理されないなら、もう詰みってことで。

ところが、私の新担当がビザ申請日前夜に、大学から招聘状を勝ち取って、私にPDFで送ってくれた。

前回の担当の時は二か月待たされた招聘状がわずか一週間。

私はそれをすぐコンビニで印刷。

そしていよいよ、決戦の金曜日。最終対決である。

ビザ申請再チャレンジ!

今日は朝から雨。晴れ女の私としては珍しいことだ。
雨だけじゃない、風も強く荒れてる。

領事館までは徒歩10分もしないぐらい近い。
近いのにアメリカより遠く感じる。

9時半から開門。
9時20分過ぎに家を出た私が着いたのは32分。
すでに数人が拷問部屋……じゃなくて小部屋で待機。

まず領事館に着いたら警備の人に声をかけて用を話す。
領事館の口コミでは警備の人が威圧的とか感じ悪いと書いている人はいるが、この人たちは日本人で、別に感じ悪くないし、むしろ好印象。
今日も雨の中近隣住民の不興を買いながらもお仕事ごくろうさまです!だ。

警備の人に用向きを話したら、インターホンを鳴らして氏名と目的を伝える。対応するのは電話応対でも悪名高い中国人女性。
奇跡的に電話つながっても「サイトみてくださーい」の人だ。
「サイトが不具合です」と言っても「サイトみてくださーい」の人だ。

で、インターホン越しに中に入って三つの書類に記入して待てと言われる。

しかし、あるのは、着払い伝票と、免責事項?の同意書。
いつもある入館登記表がない。
念のため両隣の人に聞くが、やはり二つしかない。

しかたないから二つだけ記入して待つ。

そして一人一人呼ばれるが、まずマイク越しの声が何言ってるかわからない。今日も誰も行かない時、自分かと思って一回窓口行ったら「ちがいまーす」と言われるし。

私の前にいた男の人はやはり書類の不備で一時脱落。
この人は招聘状を持ってきていなかった。
7月に来たときに見せたからいいと思ったと言っているが、毎回必要だと言われ、取りに帰るかどうするか悩んでいた。
なにせ12時までしか時間がない。

三人目の人も何か不備があったのか戸惑っている声が聞こえる。

四人目で私が呼ばれた時は、パスポートのコピーがA4じゃなからダメだと言われる。
これ、この後の人も言われてた。
しかしA4指定なんて指示は事前にはない。

幸いコピー機があるのでそこで印刷。
小銭が必要なので、皆さん必ず小銭は用意しましょう。

ちなみに印刷が重複したのか、印刷したものを忘れていった人もいた。個人情報流出になるので気をつけましょう。

そもそもA4でパスポートはコピーしていこう!
そんな事前説明どこにもないけど。

ちなみにここで入館登記表を渡された。書いて待つようにと。
こうやって何度も何度も待機と窓口の行き来が続く。

入館登記表が中国語で困ってる人もいたので書いておく。

证件类型(証明書類の種類)←たいていの人は「パスポート」

证件号码(証明書類の番号)←パスポートなら「パスポート番号」

近期在日本联系地址(最近の日本での連絡住所)

联系方式(連絡方式)←これ前に「電話」って書いたら番号も書けと言われたから「電話番号」書いた方がいい

1 您是否在两周内接触过发热伴呼吸道症状患者?
(二週間以内に発熱や呼吸器症状のある患者と接触したか)

なければ「否」にチェック

2 您是否在两周内有如下症状?如有,请在方框内打✓
(二週間以内に以下の症状はあるか?あれば□に✓)

なければチェックなしで。

我已阅知本申报表所列事项,并保证以上申报内容正确属实。如有不实,
愿承担相应的责任。
(私はこの申告書にある事項を理解し、申告内容が正確であることを保証する。もし虚偽があれば責任を負う)

これもチェック

最後に自分の名前と日時。
※質問している人もいたが、日本の漢字で書いてOK

入馆

9時半から待たされ続けて、書類不備で一人脱落……また一人女の人が、窓口で何やらわめくも追い払われ脱落(出て行った)……中国人は写真がダメだと言われていた……

もう屠殺場で順番待ちしてる気分だ。
WeChatのモーメンツで学生たちに現場報告しながら、もうダメならダメで早く結果出してくれの心境。
コメント欄には「先生が一生ビザ取れない夢を昨日見た」とか書いてくる卒業生もいるし、もうほんと心臓に悪い。
四年生は結局一度も対面授業できなかった。
そのうちの一人が「先生と会いたい……」と書いてきたコメント見てもう涙腺崩壊。

八カ月もがんばってきた……もう今日がダメならもうダメだ……四年生ももう学校を去る……ずっと待っててくれて今も待ってるのに……

今日がダメならもう千葉の親戚の家に住所うつして東京ビザセンターでやろう。そう思った。

同日同時刻に大阪でビザ申請をしている友もなんだかんだと手を焼きながらもなんとかビザ申請成功の報告。

なんで札幌よりずっと人の多い大阪のほうが先に終わるんだよと思いながらも、やっぱり鬼門と言われた札幌は無理か……とあきらめかける。

残り時間は一時間。もう不備があるなら早く言ってくれ、殺すなら殺せの心境。生殺しはつらい。酒だ、誰か酒を持ってきてくれ! ハートがチキンなこの俺に!!!!

そして今度は別部屋に呼ばれる。

そこで書類についての確認。

私は本来9月に戻らねばならなかったが、今に至り、結局Zビザは無理なようで、12(ケ月)を3(ケ月)に訂正しろとか365(日)を000にしろと指示され、そのように訂正しサインする。

もうこの際入国できればなんでもいいよ。

そもそも今までビザなし渡航できてた時は、居留許可もビザも全部向こうでやっていたのだから。ここでやるより恐ろしく簡単で早い。写真なんかも謎の人民加工(中華人民風の顔にされる)で、別に背景は白とか規定もないし、細かいことなど気にしな―いってもんだった。

ほんと、似てるんだよ、大学と。
無駄なことに労力と時間をかけさせて、もったいつけて、威厳を保っている感じが! 

しかし、なんとか12時までに、すべてのことが終わった。

「これでおわりでーす」と言われた時、「サイト見てくださーい」にしか聞こえなくて、一瞬何のことかわからなかった。

立ち上がって外に出る時、足がもつれて転びそうになった。

足は家とは反対方向のコンビニに向かっていた。
不備があると、ここで印刷するよう指示されるのだ。
恐ろしいもので、体が無意識にそっちに向かってて、自分はもう無駄な往復をしなくていいってことに気づけない。

外は相変わらずの嵐。

終わった……

八カ月にも渡る私の戦いがついに終わった……
八カ月は長い。妊娠期間とほぼ変わらないぐらいだ。
人一人生まれて来ててもおかしくないぐらいの期間だ。

もうビザ申請のためにがんばらなくていいんだ。
もうコンビニで印刷し続けなくていいんだ(うちにはプリンターがない)。
もう賽の河原みたく積み上げて積み上げて壊されてをやらなくていいんだ。

疲労困憊。
涙腺崩壊。

大雨の中、強風に吹かれ、傘を飛ばされそうになりながら、極度の緊張と長きにわたる戦いから解放されて、泣いた。泣きながら歩いて帰ってきた。

さっそく学生たちに報告。

こんな感じで卒業生含めて延々とおめでとうコメントが続く
hug絵文字の嵐

しかし、そんな中、私が好きだった中国男子のコメントに一気に興醒め。

「そもそもなんでビザ申請そんなにたいへんなの?」

え、いまさらそれを聞く? こいつ……ほんと私に興味ないんだな。
学生たちでさえよく理解してて、だからこそ、今回本当に成功を喜んでくれてる。

もうこいつでもわかるように説明してやった。

彼は日本語読める

とにかく、すべては終わったのだ。

正直、今中国に戻れるのがうれしい!とか言うのはない。
学生に会えるのはうれしいが、なんか、こう、不毛な戦いが終った感がすごくて、なんというか、一つのピリオドというか、もう、ほんと、疲れた……。

つかれたけど、忘れないうちにこの記事だけは書いた。

有料記事を買ってくれた人もいたわけだし、きっと同じようにビザ申請で苦しんでいる人がここに行きつくかもしれない。

長文駄文失礼しました。

でも、何か少しでもお役に立てれば幸いです。

结束了!
終わった!



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