見出し画像

ここがイケてないよ、イギリス

イギリスに転居して1年と少し。生活安定までに様々な「ドッキリ」「ビックリ」に遭遇し、時に楽しく、時にイラつきながらあっという間に過ぎた。
人生の大半を過ごした日本での生活や環境を比較対象にしてしまいがちだが、これはイケてないよ〜という点を記録しておきたい。


インフラが弱い、特に水系と鉄道

古い建物や家屋を大事にするという文化はとても素晴らしい。が、こと水道関係に関しては脆弱すぎる。イギリスで泊まるホテルのシャワーの水圧が強かったことなんて一度もない。(ボイラーがちゃんと働いて、温かいお湯が出るだけでラッキー。)

公共トイレやオフィスのトイレは、絶対どこかしらの個室が「Out of Order」の札が架かっているし、「ここはきちんと流れるのか」と毎度ビクビクしながら使う。水流がザブザブしている割には、水滴が外に飛んで肝心の流れが悪かったりするあれ、一体なんなんだろう。

こんなに雨が多い国なのに、道路に排水溝が全然見当たらない。雨上がりには目を疑うような巨大な水溜りができていて、バスやトラックがそこを走ったものなら、バッシャーと不快なシャワーを浴びることになる。排水ができていないからか、道路にはボコボコと穴ができている。(そしていつの間にかその穴が埋められ、ツギハギボコボコ道路の出来上がり。)

電車や地下鉄は頻繁にストライキを起こしている。待遇改善の主張はわかるけれども、やはり利用者側としては困る。ストがなく電車が運行している場合でも、送電線の不具合やら信号機の故障やらで、遅れることも多い。(ちゃんと運行してくれるだけで儲けもの。)

ちぎれて引き出せないトイレットペーパーホルダー。ティッシュを常に携帯すべし。

家電、すごいんだかイマイチなんだか

たいていの家には、冷蔵庫、食洗機、洗濯機、オーブン、コンロなどの家電が備え付けられているのは素晴らしい。電子レンジ、電気ポット、トースター、エスプレッソマシン、炊飯器などを生活スタイルに応じて買い足せば良いし、ピンキリで色々な選択肢がある。

が、洗濯機だけはどうもイケていない。ドラム式が主流なのだが、通常コースが2時間以上かかる上に、ちゃんと洗えてるんだか怪しいときもあれば、脱水し切れずビチョビチョで仕上がってくるときがある。我が家の備え付け洗濯機は乾燥機能がついているものの、毎回20分程度で強制終了する割に、開けてみるとまったく乾いていない。
特にイギリスの暗くてジメジメした長い冬、生乾きの洗濯物からいやなニオイがするのが耐えられない。あぁ、切に浴室乾燥機能が欲しい!

診療科別にかかるときどうするの

イギリス在住者は、国民保健サービスNational Health Service(NHS)に加入し、かかりつけ医(GP)を登録する。持病や、緊急性の低い自覚症状がある際はまずはGPに行くようだが、まずこの予約が取りにくい。平日朝の予約開始時間に電話をして、何分か待たされた後、症状を伝えて緊急性が高いと判断された場合、空いた時間があればようやく予約できるという流れ(多分)。ウォークインができない。

General Practitionerというくらいなので内科医がほとんどだと思うが、症状や既往症からの問診で診断を下し、処方箋を出して終わり。検査をしようものなら、また別の日に予約を取らなければいけない上に、いつ予約が取れるかは運次第。
私は常用している処方箋薬があったので、イギリスでも同じようにGPで処方してもらったのは助かった。
が、仮に、ピンポイントで眼科や皮膚科、産婦人科、呼吸器内科、消化器内科、泌尿器科などにかかりたい場合、日本のように診療科を掲げたクリニックが見当たらない。まずはGPを経由することになるだろうけど、予約電話から始めなければと思うと辟易する。

日本法人時代に会社から義務化されていた年一回の健康診断(人間ドック)受診も、イギリスでは特に用意されていない。聞いたところによると、健康診断もあるにはあるが、血液検査、X線、尿検査、胃カメラもないというのだから、受ける意味があまり見出だせない。イギリスの人々は、自覚症状が出るまで放っておいているんだろうか…私が知らないだけかもしれない。

家賃、高いよね…

The Guardianの記事によると、イングランドの平均家賃が£1,276/月を記録し、昨年比で8.8%の上昇という。ロンドンなどの都会や地方都市、様々な条件のプロパティもすべて引っくるめた平均値ではあるものの、今日時点のレートで換算すると日本円で24万円超というのだから、日本との物価差を考慮しても高いなぁと思う。

日本では賃貸物件に住む場合、家賃は給料の1/3を目安に、とよく言われるが、イギリスではそれ以上を家賃が占める場合も多いのではないだろうか。ある同僚は、最大で手取り給料の1/2までを覚悟し物件を決めている、と言っていた。そりゃ、若くして不動産を購入し、ライフステージの変化に合わせて次々と買い繋いでは運用するイギリス人が多いのも頷ける。


イケてないよ、と思わず苦笑いしてしまうことは他にもあるが、心身安全に生活できているのはありがたい。次は、イケてる!という点を投稿しようと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?