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書くことが好きだなと思って、ようやく始めてみました。ショートショートくらいの短い小説を…

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書くことが好きだなと思って、ようやく始めてみました。ショートショートくらいの短い小説を投稿してます。

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【掌編小説】夜の交差点

「最近何か良いことあった?」 夜のスクランブル交差点で待っていると、若い女が声をかけてきた。僕と同じ大学生くらいで、トレンチコートが似合っているモデルのような女だ。知り合いかと思って見てみたら全然知らない女で僕はまた前を向いた。 信号は赤のまま。嫌だなぁ、何かの勧誘かな。色とりどりの夜の街の灯りを眺めて聞こえていない振りをする。 女は僕の隣に並ぶとこちらを見ながら、 「嫌だな、変な女に声かけられたわ。なんだよこいつ、宗教の勧誘?キャバクラの客引きか?」そう言って笑う。 「え

    • 【掌編小説】帰りを待ちながら

       彼女は夜の8時までには家に行くと言った。僕はその言葉を信じることにした。グラスに注いだビールは一口飲んだまま置いてあって、泡が消えた状態で残っている。  ベランダに出て夜の風に当たる。昼間は暑いくらいの気温になって来たが、まだ5月の夜は涼しい。ワイシャツでは肌寒いくらいだ。そういえば帰宅してから着替えもしてなかった。何をしてたんだか。冷蔵庫の缶ビールを取り出してグラスに注ぎ、最初の泡とビールを一口飲んだ。それから窓の外の夜景を眺めて、ぼんやり座っていた。ついさっきまでまだ夕

      • 【掌編小説】愚かな男

         この独房に収監されてから、1年ほど経っただろうか。ここは10人分の独房が横一列に並んでいて、私は入り口から3番目だったと思う。全ての独房に囚人がいるのかはわからない。会話は禁止されているのか、そもそも誰も声を発することがない。そのためどこに誰がいるかはわからない。微かな呼吸や咳払い、あとは夜中の寝言が聞こえるので、おそらく誰か私の他にもいるのだろうと思う。  私は日本から異国に来て罪を犯して収監された死刑囚だ。今となっては、私の何がそんなにもいけないことだったのか判然としな

        • 【掌編小説】別れ話

           生ビールの中ジョッキには2/3くらいビールが残っていたが、初めにたっぷりとあった白い泡はすっかりなくなり、ビールの水面にうっすらと名残があるだけだ。 「ねぇ、黙ってないで、何か言ってくれない?」向かいの席の女が言う。ビールから彼女に視線を移すと、顔にかかる緩くパーマをかけた前髪の奥で眉を寄せて俯きがちにこちらを見ている。 「だから、どうなのか言ってくれないかな?」女の声が苛立ちを隠さなくなってきた。 男の耳に居酒屋の音が戻って来る。周りの人の話す声、笑い声、注文のや

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        【掌編小説】夜の交差点

          【掌編小説】遭遇

           仕事を終えて帰宅して玄関の鍵を開けてる時に化粧水とリップクリームを帰りに買おうと思ってたことを思い出し、ついでに昼に見たネットの占いで今週は運勢が最高と書いてあったことも思い出して、買い物忘れるとか全然運勢良くないじゃん、あの占い師あんまり当たらないのよね、リップクリームどこかで無くしちゃって家にもないから困ったなぁ、まぁ明日の朝に買いに行こう、とか思いながらドアを開けたら、知らないおじいさんが私のソファに座ってテレビを見ていた。ギリシャ神話とかに出てきそうな長い白髪でたっ

          【掌編小説】遭遇