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ポーター、スタウト、デュンケル、シュバルツ、同じ黒ビールだけど何が違うのか?

現在世界各地で造られているビールの種類(スタイルの数)は100以上とも150以上とも言われています。すべて覚えるのも難しいですし、それぞれのビールの境が曖昧なものもあります。
日本で黒ビールと呼ばれるものもその一つです。ポーター、スタウト、デュンケル、シュバルツ、と言えば黒ビールの呼び方ですが、それぞれどのように違うのでしょうか。解説していきたいと思います。

黒ビールとは

黒ビールとは麦芽を焦がした濃色麦芽を使用して造られた黒い色のビールを指します。日本では濃色麦芽を一部使用したビールを黒ビールと呼んでいますが、世界に目を向けると黒ビールという種類のビール(スタイル)は無く、ポーター、スタウト、デュンケル、シュバルツの4種類に分けられます。

黒ビールの造り方

通常ビールは黄金色に輝く液体ですが、これは麦芽を約80度の低温でじっくり乾燥させた淡色麦芽を使用します。それに比べで黒ビールは濃色麦芽と言われるものを使用します。まず麦芽を100度以上の高温で乾燥させます。高温で乾燥させ、さらに焦がす焙煎(ロースト)の工程を踏むことにより黒ビール特有の味やコクをつけたり、ビールの色を黒く変化させてくれます。
と言っても濃色麦芽の使用量は数%~10%程度です。

ポーター、スタウト、デュンケル、シュバルツの違い

大きく2つに分けると上面発酵(エール)と下面発酵(ラガー)に分けられます。ポーター、スタウトは上面発酵、デュンケル、シュバルツは下面発酵で造られます。
それぞれの特徴も解説していきます。
ポーター
ポーターはイギリス発祥のエールビールです。コクがあり、丸みのある味わいが特徴です。炭酸があまり強くなく、アルコール度数も比較的低いので、初心者にも飲みやすいビールです。
スタウト
スタウトはアイルランド発祥のエールビールです。色合いは濃い黒で、しっかりとした苦みとクリーミーな泡が特徴です。アルコール度数も高めのものが多く、がっつり飲みごたえがあるスタイル」です。
ポーターとの1番の違いは大麦を発芽させずにそのままローストしている点にあります。
デュンケル
デュンケルはドイツ発祥のラガービールです。ダークビールとも呼ばれ、麦芽をしっかり焙煎することにより、麦芽の香りは強めではあるものの、ホップの香りや苦みは少なく、軽やかな口当たりが特徴です。
シュバルツ
シュバルツもドイツ・バイエルン発祥のラガービールです。しっかりとした香ばしさは感じますが、喉ごしはすっきりとしています。
デュンケルとの違いはローストの温度。しっかりローストしたものをシュバルツ、比較的緩いのがデュンケルです。

日本で言う黒ビールは大きく4つの種類に分けられます。
しかし現在ではここからさらに派生したビールも登場しており、挙げていくと切りがないほどです。
どれがおいしいというわけではないので自分なりの好みを探してみてください。