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ワイン用のぶどうって食べられるの?

ぶどうは甘くておいしくて、子供たちにも人気です。日本でも巨峰やデラウェア、マスカットなどたくさんの種類が販売されていますが、ワイン用に使用されるぶどうは食べたことがないのではないでしょうか。
そんなワイン用ぶどうの種類となぜ市場に出てこないのかを解説していきます。

栽培されるぶどうの8割はワイン用

現在世界で栽培されているぶどうの種類は10000種類以上とも言われています。その8割はワイン用に使われています。日本に住んでいると想像もつきませんが、世界ではこれほど多くのぶどうがワイン用に使われています。

ヴィティス・ヴィニフェラとヴィティス・ラブルスカ

ワイン用のぶどうと生食用のぶどうは同じなのかと聞かれると厳密には「NO」
生物学上は違うものらしいですが、特に気にする必要はなさそうです。
一般的にヴィティス・ヴィニフェラはワイン用ぶどうのことでヨーロッパ由来のブドウ品種、ヴィティス・ラブルスカは生食用でアメリカ系のブドウ品種です。

ワイン用のぶどうは食べることができるの?

答えはもちろん「YES」です。しかも生食用ぶどうよりも甘いものが多いです。
ではなぜ生食用として販売されないのか。それは皮や種の比率が多く、食べづらいうえに食べるところも少ないからです。いくら甘いからと言ってもあまりに食べにくいのでは売れませんからね。

基本的にワイン用ぶどうは粒は小さくて種が大きく皮が厚いものがいいぶどうだとされています。ワイン(赤ワイン)の醸造にはタンニン(渋み)や酸味が必要不可欠なのですが、皮や種にはタンニンや酸味が多く含まれています。なので皮が薄く種なし品種もある生食用ぶどうは、ワイン造りに向いていないのです
糖分の多さは、ワイン造りにも大きな影響を与えます。糖分は分解されてアルコールへと変化しますので、糖度が高いものが求められます。
仕込む前のぶどうは甘かったのですが、糖分がアルコールに変化することにより、甘さは失われてしまいます。

ワイン用ぶどうの主な品種

ピノノワール
フランス・ブルゴーニュ地方を原産とするブドウ品種です。皮が薄く、色素やタンニンの含有量が少ないので、 色味はやや薄く、渋みよりも酸味・ミネラル感があります。あの「ロマネコンティ」もピノノワール100%で造られます。
カベルネソービニヨン
ピノノワールとは対照的に深みのある色合いとしっかりと重みのある飲みごたえが特徴です。
シャルドネ
フランスのブルゴーニュ地方で原産されている白ワイン用のぶどう品種です。世界で最も白ワイン造りに使われる品種の一つです。大きな特徴はありませんが、その土地や作り手の特徴が表れやすい品種です。
ソービニヨンブラン
フレッシュな酸味や果実味が特徴的で、その特徴を生かすためにあまり熟成させず、若いうちに飲まれることが多い品種です。

生食用ぶどうの主な品種

デラウェア
デラウェアは種無しぶどうの定番として昔から親しまれてきました。小粒ですがしっかりとした甘みと酸味があります。最近ではワイン造りに使われることもあります。
巨峰
巨峰はワイン用ぶどうとは異なり大粒で、1粒10g以上あります。香りが良く、甘味も強め、果肉はコクがあり、酸味も柔らかく非常に人気のある品種です。