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ジャパニーズウイスキーの定義とは

ウイスキーには世界5大ウイスキーと呼ばれる産地が存在し、スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、そして日本(ジャパニーズウイスキー)もその一つです。日本以外の4つの産地の定義はそれぞれ法律などで厳しく管理されており、その品質を保っています。
それではジャパニーズウイスキーはどうでしょうか。
ジャパニーズウイスキーは現在のサントリーが1923年に山崎蒸溜所を開設、1929年に「白札」を販売開始したことに始まります。
そしてジャパニーズウイスキー造りが始まってから今年(2023年)でちょうど100周年を迎えます。
そんなジャパニーズウイスキーとはどのような定義が存在するのでしょうか。

つい最近まで定義は存在しなかった?

そもそもジャパニーズウイスキーの歴史はその他の地域に比べると比較的浅く、さらに世界的なウイスキーの品評会などで賞をとり、日本のウイスキーが評価され始めたのは2000年代に入ってからのことです。
それまでは外国産の原酒を使っていてもジャパニーズウイスキーと表現してもよかったりと、特別な決まりがあるわけではありませんでした。
それではいけないということで2021年に日本洋酒酒造組合がジャパニーズウイスキーの自主基準を設けました。

法律的なジャパニーズウイスキー

日本におけるウイスキーの法律では

①発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る)

②発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る)

③1又は2に掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの(1又は2に掲げる酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10以上のものに限る)

とされています。これはその他地域に比べると非常に甘く、外国産原酒の使用も可能、熟成期間の縛りもなし、添加物は総量の90%までOKと、最後に関してはウイスキーと呼べるのかと疑問に思えるほどです。

ジャパニーズウイスキーの自主基準

ジャパニーズウイスキーとは
原材料
原材料は、麦芽、穀類、日本国内で採水された水に限ること。なお、麦芽は必ず使用しなければならない。
製法
製造糖化、発酵、蒸留は、日本国内の蒸留所で行うこと。なお、蒸留の際の留出時のアルコール分は95度未満とする。
貯蔵
内容量700リットル以下の木製樽に詰め、当該詰めた日の翌日から起算して3年以上日本国内において貯蔵すること。
瓶詰
日本国内において容器詰めし、充填時のアルコール分は40度以上であること。その他色調の微調整のためのカラメルの使用を認める。

と2021年2月に日本洋酒酒造組合によって決められました。
ただすべてのメーカーが組合に入っているわけではなく、法的な拘束力はありません。しかしこの基準が守られることにより、ジャパニーズウイスキーとしての品質と評価はさらに高まっていくことでしょう。

ジャパニーズウイスキーが必ずしも良いというわけではない

ウイスキー以外の分野においても日本品質は世界でも高い評価を受けていますが、海外のウイスキーが粗悪というわけでは決してありません。
日本国内で販売されているウイスキーの中にも海外の原酒を多く使用しているものもありますし、海外で造られたものもたくさんあります。
そして海外のウイスキーもその土地その土地の特徴があり、非常においしいものもたくさんあります。
ジャパニーズウイスキーの原酒不足が騒がれる中ですが、それそれがそれぞれの特徴を活かし、ウイスキー分野全体が発展していけばと思います。