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イラストチームで働くイラストを描かないディレクターってどんな人?

こんにちは、LINE Fukuoka クリエイティブ室イラストチームのオオバです。
私たちのチームには、イラストレーターだけではなく、イラストを描かないディレクターも所属しています。

今回はイラストチームで働くイラストディレクターについてご紹介しようと思います。

1. イラストディレクターの仕事内容


企画の段階からディレクターが携わることもありますが、「企画が決定してからリリース」までを進行するのが一番多いパターンです。

案件によって対応する内容も様々ですが、

 ・イラストのタッチやテーマのご提案
 ・構成案のご提案
 ・実際に上がってきたイラストの確認と調整のご相談
 ・入稿から最終確認

など、多くの段階を踏んで、完成品を届けるお仕事です。

実際にイラストを描くお仕事ではありませんが、仕上がりを見越した提案や相談を行うため責任は重大です!
皆さまに喜ばれる作品に仕上げなければ、という緊張感は常に忘れないように心がけています。

イラストは上手くて可愛いければいいというものではなく、テーマやお客さまの層によって求められるものが変わってきます。

・配色の彩度、明度、コントラスト
・主線はありか、なしか
・線の色や太さは?
・背景はどうする?
・テキストは手書きかフォントか  などなど

最近ではY2Kの流行等もあり、配色だけでも様々なパターンが考えられます。
その時のテーマやコンセプトに最適なタッチは何か、正解がない分とても難しいのですが、やりがいのある仕事だと思います。

2. イラストディレクターに求められるもの

イラストを描かずとも、クリエイティブに関するセンスはもちろん必要ですが、その他の要素も多く求められます。

・コミュニケーション能力

たくさんの人と関わりながら、時には議論し制作物を完成させていくため、コミュニケーションは欠かせません。

たとえどんなに素晴らしい仕上がりであっても、イラストレーターが制作したものを修正してもらう必要は必ずあります。
なぜ修正が必要なのか、どういう風に調整してほしいのか、適切に連絡するのは意外に難しいものです。
明確な理由を伝えて、よりよい作品にするための相談を心がけています。

× 色が明るすぎるので、暗めに調整してもらえますか?
 今回はビジネス向きのため、少し彩度を落とすなど、落ち着いたイメージに調整するのはいかがでしょう?

・柔軟性

たくさんの人と関わって仕上げていくため、自分だけではどうにもならないのがディレクション業務の大変な部分です。
最初にきちんとスケジュールを立てれば万全!となればいいのですが、様々な要因での遅延や、思いもよらない状況が起こることもあります。

場面ごとに的確な判断をして、入稿に続く道にきちんと導けるか。柔軟な対応力は必須です。

・アンテナを広げる

センスだけではどうにもならない部分、それは流行です!
今なにが求められているか、どういうものが人気なのか、これは吸収し続けなければどうにもなりません。
プライベートでもこれらを楽しんで追い求める力がある人は、とてもディレクター向きだと思います。

各ディレクターによって得意分野はそれぞれですが、今回はドラマやアイドルに激強なキノシタに、アンテナの広げ方についてインタビューしてみました。

【ディレクターインタビュー】

―― 流行りの動画からビジネス書まで、幅広いジャンルを網羅するコツを教えてください

心が惹かれるものを目の前にすると、「どんな人が作っているんだろう?」「作者はどんな考え方をしているんだろう?」「どんな影響を受けているんだろう?」と気になり、芋づる式に調べることが好きです。
そうしていくと新しい素敵な出会いがあるので、そうやって「幅」を広げているんだと思います。

ものごとの裏側にある社会の流れや関連性について考えることも好きです。
SNSのタイムラインで3回見かけたら、それは流行の種の可能性がある」と聞いたことがあります。
「これあそこで見たな」「この言葉、このポーズどこかで見た!」と気づいた時に、点と点を繋げるイメージで「関連性」を見出すことが、トレンドを捉えるコツだと思います。

絵に関してだけでなく、直接関係なさそうなものまで広く、いろんなものを関連性をもって観察していくと、気づきを得るヒントになるのではないかと思います。

―― 最近見たもの・読んだ本でオススメは?

書籍『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』 田中絵里菜(Erinam) 著

K-POPが好きで、幅広く色々なMVを見ています。
コンセプトや物語の作り込みが素晴らしく、とても表現の参考になります。今は韓国や中国のカルチャー全体で若いクリエイターさんが沢山いて、本当に新鮮で面白いものが多いです。
この本では、その背景にある韓国の社会情勢や、芸術産業の仕組みの部分から体系的に分析されていて、とても興味深く読みました。

「K-POPらしさとはビビンバのようだ=美味しければどんな具材でも自由に混ぜてもよい、さまざまな国のトレンドを柔軟に取り入れて料理するのがK-POPらしさ」という文章は、すごく的を得ていると感じました。
K-POPは世界の流行を取り入れることに長けているので、今後もウォッチしていきたいと思っています!


芋づる式にアンテナを広げている様子がわかるインタビューでした。
イラストチームに所属する、イラストを描かないディレクターについて参考になれば嬉しいです。

UIターンで入社した新人ディレクターについても以前紹介しています、こちらの記事もぜひ。