街中を包んだ砂糖菓子のように甘やかなさくら色を吹き流す風は、ある日ある時、必ず吹いてしまう。 さくら色の花吹雪に取り囲まれた時に受けた少し魔法めいた感じを心にそっと持って、次の季節へ私も移る。
入口の近くに立つあなたを見かけました。 自動ドアが開いた瞬間に、 風に乗せてあなたのもとへ、 今年の桜のはなびらを一枚、 そっとお届けできたらいいな。 小さく願い、とても短く夢を見ています。