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秋はニュートラル

子供の頃の夏は永遠だと思ってた。
暑くて、やる事がいっぱいあって、蝉はずっと泣き続けるそんな夏。

年齢を重ねるにつれ、体感の夏は毎年半分くらいづつ短くなっている。
要因の一つは冷房でキンキンに冷やされた職場で大半の時間を過ごしているからだろう。

蝉の鳴く声の代わりに、人がざわめく音を聞き続けて、もう10数年が過ぎた。


それでも秋の始まりは毎年今日だ、と分かる日がある。
日差しの強さや、風の温度、虫の声も、昨日までの夏と絶対違う何かがある。


暑い日が終わるのが心待ちだったはずなのに、夕暮れが早まるのに心細さを感じるのは毎年のこと。
これからあっという間に、暗くなる時間が早くなって長い冬にはいる。


茄子や胡瓜に別れを告げて、白菜や大根との長い付き合いが始まる。
体が温かいと気分も上向きになるから、今年も沢山鍋をしよう。楽だからじゃないよ。たぶん。



終わりは始まり

アメリカの心理学者ウィリアム・ブリッジスのトランジション理論で、「転機とは何かが終わって始まるものである」と言う考え方がある。

何かが終わり何かが始まる間の中間地点を「ニュートラル」という。ニュートラルはつまり過渡期だ。

何かが始まる前の過渡期に自分を見つめ直したり、内省に努める。そうすると次に始まることに備える事ができる。

夏と冬の間の過渡期である秋。
心身ともに冷えてしまいがちな冬に備えたい。

最近秋が短過ぎるので、要注意。

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