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◇映画のこと-ミセス•ノイズィ-と、あの事件と◇

今日は週末なので映画を観る。
「ミセス•ノイズィ」

むかーしむかし、騒音おばさんというのがワイドショーで持ちきりだった。朝のニュースも夕方のニュースも騒音おばさんの映像を各局ひたすら流していた。映像の内容は、何かを叫びながら布団を叩くおばさんの姿。ラジカセを持ってきて大音量で流している。
あまりのインパクトに、我々含めた視聴者は、このおばさんを悪だと決めつけて、時の成り行きを見届けた。

視聴者が飽きたころに、騒音おばさんが逮捕されたような気もする。僕も当時は15歳とかだったので記憶はあやふや。映像のインパクトが凄すぎて、他の記憶が何一つない。

時が経ち、ネット社会になった昨今。騒音おばさんを調べてみると、騒音おばさんは実は被害者なのでは?という記事が散見されている。情報源がネットからの抜粋のものばかりで、何が真実かは分からない。当時の僕が思い描いていた騒音おばさんの「悪」というイメージは、本当に合っていたのか?情報に踊らされたのではないか?
と次々と疑問に思った。

何が真実かは分からない。だけども、視聴者の見方は明らかに偏っていたのは紛れもない事実だ。視聴者が視野をもっと拡げることが出来たら、違った展開があったかもしれない。

映画の話に戻る。
「ミセス•ノイズィ」は騒音おばさんの事件をモチーフにして出来た作品だ。騒音に悩まされた人の視点と、騒音おばさんの視点の両方を丁寧に描いている。どっちが悪いとかはない。両方の視点を描くことがなにより重要だ。

話を実際の事件に流す。
世間全体で、騒音おばさんを悪としていた。偏った情報とはいえ、鵜呑みにし、なにも考えずに「悪」と判断したのだ。もちろん僕もだ。
この作品は、ネット社会になった現代だからこそ、第二•第三の騒音おばさんのようなケースを作ってしまうことを警鐘している。ネットで偏った•誤った情報を鵜呑みにし、大して調べずに誰かを悪だと判断し攻撃をすることが今の現代である。
ネットの世界だけでなく、テレビを巻き込んでの騒動までにはいかないが、いつの日かあるのかもしれない。そうならない為にも、情報収集を的確かつ幅広く、鵜呑みにしない。怒りそうなっても深呼吸してみる。

映画の話に戻る。
笑えるタッチの作品でもあるので、気軽に観れる。背筋がゾワゾワするシーンもあるので、苦手な人もいるかも。気軽とは?笑
黒板に爪をキーーっとかではないのでそこは安心を。

最後のシーンは胸を打たれる。
正しいことって大変だし、誰にも理解されないかもしれないが、いつの日か酬われてほしい。

学ぶことがたくさんあった作品です。

ーおしまいー

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