2023SR達成!【アタック阿仁】BRM916埼玉200㎞
前置き
結果だけ確認したい人向けまとめ
※無事に2023SR獲得できました!メダルも届いたよー。※
(メダルが届いて200kmの記事を書いていないことに気づいた)
【内容】BRM916埼玉200㎞アタック阿仁(主催:オダックス埼玉さま)
【結果】完走
【時間】10時間05分(仮眠無し)
【良かったこと】金カム聖地巡礼&PBP日本最高齢完走者との握手
【悪かったもの】連続ベタ踏み坂みたいな広域農道
お暇な方はゆっくりしていってね!!!
準備編
前回記事の最後に少し書いたとおり、ラストに200㎞を残してしまった私だが、400㎞完走後の日程で普段お世話になっているランドヌール宮城さんの200㎞はひとつ。
【二口林道200】、宮城県側から二口峠を登って下り、蔵王エコーラインを登って帰る、獲得標高3,000m越えコースである。……200㎞で!?
https://ridewithgps.com/routes/43853298
登りが大の苦手なデブワイは「あ、詰んだ」と思った。春先の200㎞を雨天走行でもいいから走っておけばよかった。でもこれを走らなくてはSRは……と、腹をくくっていたのだが、400㎞ゴール後の雑談時、百戦錬磨のスタッフさんから「(東北を走るブルべがいいなら)9月にオダックス埼玉さんの秋田遠征ブルべで200㎞があるよ」と教えていただく。
目からウロコとはこのことであった。
スタート地点までの移動距離問題があって、いままでR宮城さんのブルべしか視野に入っていなかったので、『遠征ブルべ』なんてものがあること自体知らなかったし、他団体さんのブルべを調べようともしていなかった。
調べてみると、確かにある!
問題は、キューシートの配布のみでGPSデータの提供がないため、開催一週間前付近に配布されるキューシートから自分のナビ用にルートを作成しなければならないこと。
しかしながら、ページに記載のざっくりコース表示から『おそらくここら辺を走るだろうな…』と仮コースを作ってみたところ、想定獲得標高は約2,000m、二口林道より1,000m低い。
……君に決めた!!!!
幸いなことに、開催時期は二口林道より前だったので、先に走って万が一ダメだったら、もう切腹の気持ちでR宮城さんにお世話になろうと決めた。
ちなみに、オダックス埼玉さんの秋田遠征ブルべは2日間開催で、9/16と9/17は違うコース設定。なぜ9/16を選んだのかといえば、理由は以下の3つ。
① 9/17開催コースの寒風山を登りたくなかった(徹底した山嫌い)
② コース途中に「昭和レトロ自販機」があって行ってみたかった
③ タイトルにもなっている「阿仁」が、漫画「ゴールデンカムイ」に登場するドスケベマタギ・谷垣源次郎の故郷だった
公開されたキューシートをもとに、グーグルマップとストリートビューを活用して、試行錯誤しながらなんとかRWGPSでルートも作成、 「山も避けられて観光もできて聖地巡礼もできるなんて最高じゃん!」と、ウキウキで当日を迎えるわけだが、天気予報がバチバチに雨!
走行編
①スタート~「IC1 道の駅 あに」【~111.7㎞】
スタートはAM6:00、秋田駅東口。
間に合うように自宅を出発し、車移動で約2時間程度北上。スタート場所に向かうにつれて雨がひどくなっていく。東口付近の駐車場に到着し、準備しているさなかにも雨脚は強くなる一方。土砂降りといって差し支えない強さで、大丈夫かよ……と気持ちが萎えながらも、雨雲レーダー的には徐々に雨雲は流れていくし午後には晴れそうだしと自分を納得させて、レインウエアを着込んだ状態で集合場所へ。
受付とブリーフィングをしている間に、いったん雨が止み、着込んだ装備を解除してスタート。
今回、PCはなくて、ほぼ折り返しの111.7㎞地点の道の駅でのクイズチェックと、ゴールのコンビニでのレシートチェックだけ。楽ちんだ。
小さめの登りをこなしながら、淡々と走り、武家屋敷へ向かう手前で第一目標発見。
「雲沢観光ドライブイン」のレトロ自販機。
この自販機のほかにも、ガムやおでん缶の自販機とかゲーム台とか、レトロを体感できるものがたくさんあったのだが、お目当てはこれのラーメンだったので、さっそく。
こういうのに衛生面とか味とか求めるもんじゃない。
レトロな雰囲気を味わいに来てるんだよ、わたしゃ。
そんなに走っていないので、おなかは空いていなかったけど、朝+雨で、まだ気温も高くはなかったから温かいスープは染みるなあ、と思いつつ、ほっと一息ついて、コースに戻る。
少し先の60km地点付近は秋田の観光名所でもある「角館・武家屋敷」も通るようになっていて、なるほど遠征ブルべだなあという感じ。
桜の季節は爆混みですが、朝&雨模様なこともあって人はまばらで走行もしやすかった。こういう静かな雰囲気大好き! 観光しつつ、阿仁へ向かいます。……登りです。
途中で雨に降られ始める。
ブルべに挑戦し始めて、初めての本格的な雨天走行である。
すぐ晴れるかな? いや結構降るかな? レインウエア着る? 着ない?
まだ雨雲あるなあ…。着とくか、一応。
いや登りでレインウエア地獄なんだけど。蒸れる。脱ぎたい…。
もう降らんやろ。脱ぐ。
これ汗か? 雨か? もう滴りすぎでわけわかんねえわ。
などいうことを、一時停止して、荷物を出しては入れて、もたもた。多分とってもタイムロス。
ベテランさんはこういう判断が早いんだろうなあ、すごいなあ、と考えながら、えっさほいさと登りを終える頃にはすっかりと晴れ渡り、お昼頃に「道の駅あに」に到着! クイズの答えをブルべカードに記入。ヨシ!
お昼ご飯も食べ終え、「山ぶどうアイス」を食べながら、道の駅内を観光。
お土産コーナーに熊肉とか熊爪とかあったし、はく製もあったし、ひっそり杉元のフィギュアが飾ってあったし、外にはでっかいチェーンソーアートがあったりして、「マ、マタギ……た、たのしー!!!」となった。
なお私は田舎育ち田舎住なので、山ぶどうジュースは幼いころから飲んでたし、熊を目撃したこともあるし、貰った熊肉も食べたことがある。
田舎住なのに田舎を楽しんでしまったが、ところ変われば、ということで。
600kmのときにMさんから熊鈴借りてしまったので、今回はちゃんと自分で用意して装備。お陰様で本物には出会いませんでした。
おなかもこころも満足したところで、後半戦。
②~ゴール(ファミマ秋田手形店)【~202.6km】
阿仁まで登ってきたわけなので、しばらく下り基調でゆったり走る。
途中で、秋田名物「ババヘラアイス」売りのおばさまを発見!
反対車線だったが、もれなくピットイン。
シャーベット状の軽い口当たりのアイスで、こういった露店形式のアイス自体は私の地元・山形県でも食べられる”お祭りアイス”なんだが、本場の秋田だとコーンに盛り付けるときに綺麗な花型で盛り付けてくれるのが嬉しいんだよなあ。
「ババ」が「ヘラ」で盛るから「ババヘラアイス」。
アイスを食べながらおばさまと雑談。
癒しを貰って、再度出発。
道路の路肩の片隅に差されたパラソルの下で、おばちゃんがひとりポツンと座ってるので、見つけたらぜひ食べてみて欲しい。
もうあとは秋田駅前に戻るだけ……と思っていたのだけれど、後半になって獲得標高がなんか足りないな……?と、気づきたくない事実に気づき始めると、案の定、駅前へ行くまでの広域農道がしんどかった。
なんていうか、あの…。
島根にある有名な「ベタ踏み坂」ってあるじゃないですか、急勾配の。
ほんとこれ。
走った人ならきっと同意してくれるだろう、目の前にそびえる壁を。
これが何本も出てきて、もう、心バッキバキ。ゴールまで残り20~10㎞くらいだったから、さっき食べたババヘラアイスのモナカくらい砕けた。
道路幅も広いし、路面も綺麗だし、交通量も多くなくて、秋田駅付近に抜けるにはとても良い、いわゆる「スーパー農道」。
だがしかし、道中ラストの局面なこともあり、あまりにしんどすぎて、
『この道ほんとにトラクター登れる? コンバインが重さでひっくり返らない? 大丈夫? っていうか国交省管轄じゃなくなったら、道を平らにするって概念どっかに行っちゃうの? もっと蛇行させて斜度下げられなかったの? なんで?』
と、直線登坂が大嫌いな私は、道に対する悪態を吐きながら進む。
残り距離的に「10時間以内でゴール出来るかもなー」と、広域農道侵入前までぼんやり思っていたが、ここで完全に諦めて、登りではズッ友である完全形態インナーローでゆっくりたらたら進み続け、ようやく市街地に戻ってきた。
コース上にあるファミマを見ては「ゴールか……? いや、違う」と迷いながら、すでにゴールしている先人たちの姿をみつけ、ようやくゴール地点であるファミリーマート秋田手形店へ到着!
「10時間05分」でした!
……あと5分なんとかならんかったんか? って突っ込まないで!
私が一番思ってるから!
とはいえ、十分すぎるほどに観光して楽しんだのでヨシ!
レースじゃないからこれでいいのだ!
30分遅れでスタートしたはずなのに遥か先にゴールしていたスタッフさんに教えていただきながらブルべカードに必要事項を記入。
本来なら、メダル購入は代金振込後に郵送の予定だったのだが、スタッフさんのご厚意で、その場で購入させていただけることに。わざわざ車まで取りに戻ってくださって、本当に本当に感謝しかない。ありがとうございました。
先にゴールしていた複数人の皆様と雑談し、「これではじめてのSRですー」などと話していると、なんと、参加のお一方が、今年のPBP日本最高齢完走者だと教えてもらう。
驚きのあまり「ひぇえ!」と奇声をあげたのち、どもりながら「……あ、握手してください!」と口走る。完全にオタクの素が出ていて気持ち悪かったに違いないと思うが、心優しい紳士はそんな私に臆することなく握手してくださった。
御利益をいただきありがとうございました!!!!
ゴールにいた方々は皆様やはり遠征組だそうで、ゴールして夜に宴会して、翌日の200㎞も走られるんだそうです。……つわものは違う。
ヘロヘロな私は一足お先に失礼し、車に戻って日帰り温泉へ直行。
汗を流して、無事帰路につき、二口林道200を回避して、今年のブルべを終えました!
総括編
ということで200kmブルべをクリアして、無事に2023SRを達成できました。
ブルべに挑戦しよう、出来ることならSRを獲ろうと思ったのは、何か目標があれば、自転車に乗ることが億劫にならないかな、と思ったから。
インドア人間で身体能力も高くなく、人と競うのは苦手だったから、レースがあまり得意ではなかったけれど、『乗らなくなると乗れなくなる』(と思っている)ロードバイクに楽しく乗り続けるには何がいいだろう、と考えた結果だった。
私にとってブルべは、「他者との競争」ではなく「自分との闘い」。
悪天候で走るとか、不眠で夜通し走るとか、体が痛くても走るとか、もう帰りたいとか、っていうか自転車で何百㎞も走らなくてよくない? という「出来ない理由」を乗り越えて、「それを乗り越えた自分」を得るための挑戦。
ブルべは完走すればメダルを手にできる。頑張った証が手元に残る。
目に見えないはずの「努力」が、形で残る。 完走できなければメダルは手にできないけれど、そこに至るまでの経緯とか考え方とか、何が足りなかったのかとか、分析できる材料は手にできて、また挑戦するときのプラス要素になって、次の挑戦への足掛かりになる。
そして手にできたら、その挑戦と経験は無駄じゃなかったって思える。 大人になってから、こういう「努力」が認められる証って、なかなか無い気がしている。(表彰台常連組は除くw)
形で目に見えなくても、ちゃんと努力ができる人はいる。
NICOにもいっぱいいる。本当にすごい。まじで尊敬する。
(憧れるけれど、それができるかと言われれば私にはまだできない。)
走っている最中は本当に「しんどい」って思うけれど、終わってしまえば「楽しかった」に切り替わるのは、脳内バグでもあり、成功体験を得たということなのだろうと思うので、自己肯定感をあげるにはブルべはとても良いと思う。200→300→400→600→etc…と、レベルに合わせて段階を踏めるし。
今年のブルべにはすべてソロで挑戦したが、完走できたのは周りの支えがあってこそだと、マージーでー実感した。走ったのは確かに私だが、走らせてくれて、完走できたのは、間違いなく周りの人の支えあってこそだと思った。
主催者さまは言わずもがな、途中トレインに乗せてくれたり装備貸してくれたりPCでお話ししてくれたりした他の参加者さま、トラブルなく走れるようメンテナンスしてくれたショップさま、仕事の休みを取らせてくれた職場のみんな、自転車で夜通し走るという妻を送り出してくれたNOT自転車乗りの夫、旧Twitterで生存報告するたびに応援してくれたチームメンバーのみなさま、エトセトラエトセトラ。言い出したらキリがないけれども。
そういうことに気づけたのは、ブルべに挑戦してからだと思うし、これからもそれを忘れずにいたいと思うので、2024年も自分ができる範囲でブルべに挑戦しようと思います。多分。
まずはAJ会員になるところからかなあ。(非会員だったので、メダル申請のとき時間がかかってしまった。運営様にも迷惑をかけたので反省。)
あと痩せよう。これはどうやってもそう。
長々とお付き合いいただきありがとうございました!
みんなもルールを守って楽しくブルべしようぜ!
2023年(完)
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