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Hender Schemeのレザースリッパ 『服と暮らし』No.190

(引用元:https://www.fashion-press.net/)


今思い返すと恥ずかしいなあと思うんですが、正直にお話するとスリッパをちゃんと家で使うようになったのは30歳になる少し手前くらいで、それまでは「靴を脱いでまた何かを履く」という動作を煩わしく感じていた気がします。多分小さい頃両親に注意されたりしなかったのが原因な気はしていますが、学校ではもちろん上履きに履き替えていたものの家では素足で過ごしていました。そういう、子どもの頃からなんとなく続いている不衛生な小さい癖ってありますよね。

そろそろちゃんとスリッパを履ける大人にならないとな、と思っていたところにこの〈Hender Scheme〉のスリッパが発売するというニュースを目にして買ってみたのが最初です。エンダースキーマのブランドとしての考え方を僕はすごく気に入っていて、彼らのデザインする製品を一度は買ってみたかったんですが、デザインが自分の好みと合わないことが多くて手を出せずにいたんです。

例えば、レザースリッパも普段定番として展開されているモデルは足の甲のところにタッセルが付いていて、これがなかったら買いたいのになあと思ってました。タッセルくらい付いていても不便はないですし、そのくらいデザインを加えた方が売れそうなのもわかるんですが。

(引用元:https://www.fashion-press.net/


このモデルはこれはアメリカのシアトルにはじまり、今や世界的に有名になったエースホテルとのコラボレーションで生まれたもの。毎回発売してすぐの時期しか買うことができないのが心苦しいんですが、タッセルが省かれたごくシンプルなデザインのレザースリッパです。

先ほど”タッセルがついた方が売れそうなのもわかるんですが”と言ってしまいましたが、やっぱりどこかに人目を引きやすい要素をデザイナーであれば加えたくなるもの。それもコラボレーションとなるとなおさらだと思うんですが、あえて引き算してしまうのは担当者のブランドへの愛を感じます。きっとエースホテルの人もタッセルがいらないと思ってたんだろうなと親近感が湧きますし、(もちろん、全然そんなことはないかもしませんが)気の利いたコラボレーションが多いのもエンダースキーマの楽しみなところです。

(引用元:https://www.fashion-press.net/


エンダースキーマと言えば無染色のヌメ革。使っていくうちに薄い肌色から飴色のように艶のある茶色に変化していきます。スリッパなので部屋で使っていると水仕事で水滴が飛んだり、飲み物をこぼしてしまったりして汚れていきます。もちろん染色されたものの方がきれいなままで使えるんですが、やっぱり表情の出るヌメがエンダースキーマのシグネチャーだと思います。

汚さないように防水スプレーをかけたりして慎重に使うのもいいですが、汚れて育っていくのも楽しいものかなとできるだけ気にせず、どんどん汚して履いています。下の画像は3年くらい履いたものだったと思います。



これからも数年経ち、もうずいぶん長い間履いているのでそろそろ買い替えてもいいんですが、またこのシリーズが発売してくれることを願っています。ところで、このスリッパはエースホテルで実際に使われているんでしょうか。故郷の京都にもオープンしたことですし、一度行ってみたいと思います。

(引用元:https://www.fashion-press.net/

Hender Scheme / Ace Hotel×Hender Scheme Leather Slippers ¥13,200-



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次号のNo.190は5月6日(金)に更新予定です。

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