mont-bellのトレッキングアンブレラ 『服と暮らし』No.186
傘選びには迷った記憶があります。長傘はかさばるうえすぐに置き忘れてしまうので早々に選択肢からなくなったのですが、折りたたみ傘って吟味すると意外に候補がないんですよね。まだ長傘の”控え”的な立ち位置のものが多くて、あとは小さい・軽いとガジェット感の強いものか、フォックスアンブレラなんかの高級路線か。もちろん、迷っていた時からこの〈mont-bell〉のトレッキングアンブレラの存在は知っていたのですが、ンムーと考えながら一旦保留としている期間が長かった気がします。
というのも、トレッキングアンブレラと言えば折りたたみ傘業界の圧倒的定番であり、数えきれないほどの人がこの傘について何かしら書いているもの。ミーハーであり捻くれてもいる僕のような人間はもっと良いものがあるんじゃないかと勘ぐってしまうのです。その後、悔しいながらも買ってみて、やっぱりこの傘以上に完成度の高いものは今のところないと思っています。
モンベルのホームページにもこのように特集のページが用意されているほど、おそらく売れ筋の商品なんでしょう。つくりや機能性の話は公式の方に任せてしまいたいのですが、個人的に最も助かっているポイントは最後の一文にある
「安易に買い替えるのではなく、長く愛用してもらいたい」という(これはきっと企業そのものの)姿勢です。
単に生地が破れやすいとか骨が折れやすいという訳ではなく、”破ってはいけない、折らないようにしないといけない”と思いながら使うのと”もしそうなったとしても直してもらえる”という安心感をもって使うのは心持ちとして大きく違うもの。
加えてもうひとつ、これは実際に何度か助かった経験もあるのですが、「折りたたみ傘の袋だけ」もオンラインストアで販売されているのです。
長傘をすぐに置き忘れてしまう僕は鞄にしまえる折りたたみ傘になっても袋のほうを失くしてしまう。昔折りたたみ傘を持っていた時も袋なしで使い続けるのもみすぼらしいからと買い替えたこともあったり、とことん傘に縁がない僕にも優しい傘です。直営店に配送すると送料が無料なのもまた優しい。
あとは傘の頂点のところについた輪っかが傘を閉じて少し持ち運びたい時やどこかにひっかけて干したい時に便利だったりとか、傘をしまう時に持ち手のくぼみに骨の先端を固定できて綺麗にたたみやすいようにデザインされていたりとか、細かい工夫や修正を何度も重ねてきたであろうプロダクトとしての強さを感じます。
言ってしまえばもっと軽い傘も、丈夫な傘も、安い傘も、おしゃれな傘もあると思うのですが、折りたたみ傘としての総合力を見ればこのトレッキングアンブレラに勝るものはないでしょう。定番だけど、選ばざるを得ない名品だと思います。
mont-bell / トレッキングアンブレラ ¥4,950-
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次号のNo.187は4月8日(金)に更新予定です。
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