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mont-bellのトレッキングアンブレラ 『服と暮らし』No.186

(引用元:https://webshop.montbell.jp/ )



傘選びには迷った記憶があります。長傘はかさばるうえすぐに置き忘れてしまうので早々に選択肢からなくなったのですが、折りたたみ傘って吟味すると意外に候補がないんですよね。まだ長傘の”控え”的な立ち位置のものが多くて、あとは小さい・軽いとガジェット感の強いものか、フォックスアンブレラなんかの高級路線か。もちろん、迷っていた時からこの〈mont-bell〉のトレッキングアンブレラの存在は知っていたのですが、ンムーと考えながら一旦保留としている期間が長かった気がします。

というのも、トレッキングアンブレラと言えば折りたたみ傘業界の圧倒的定番であり、数えきれないほどの人がこの傘について何かしら書いているもの。ミーハーであり捻くれてもいる僕のような人間はもっと良いものがあるんじゃないかと勘ぐってしまうのです。その後、悔しいながらも買ってみて、やっぱりこの傘以上に完成度の高いものは今のところないと思っています。

(引用元:https://webshop.montbell.jp/ )

雨の多い日本の気候では、コンパクトに収納できて持ち運びに便利な折り畳み傘は、必携アイテムのひとつといえます。モンベルがこの折り畳み傘に着目し、「山歩きにも使えるものを」と開発に取り組み、誕生したのが「トレッキングアンブレラ」です。
初代モデルの登場は1987年。当時、軽量な折り畳み傘といえば、6本骨のものが主流でしたが、モンベルでは山での使用において満足のいく強度を持たせるため、8本骨を採用。さらに高性能ナイロン樹脂を採用することで、一般の折り畳み傘よりも優れた強度を持ちながら、非常に軽量・コンパクトな製品に仕上げることに成功しました。今では登山用品店に、折り畳み傘が並ぶ光景は珍しくありませんが、開発当時は山に傘を持っていくという発想自体がなかった時代。まさにモンベルのものづくりの基本姿勢「自分たちがほしいモノを創る」から生まれた、ユニークな商品でした。 2001年には、より軽量で引き裂き強度のあるバリスティック・エアライト・ナイロンを採用した「U.L.トレッキングアンブレラ」が登場。社内外のリクエストから、アウトドアに特化した傘のバリエーションは増えていきました。

そして2016年、さらなる進化を遂げた「トレッキングアンブレラ・シリーズ」。耐久性に優れた8本骨の構造は踏襲しながら、親骨の素材に軽量で優れた強度を持つカーボンを採用。生地やパーツに至るまで徹底的に見直すことで、従来の強度を保ちつつ、大幅な軽量化を達成しました。「トレッキングアンブレラ」は前モデルから約40%の軽量化、特に軽量性を追求した「U.L .トレッキングアンブレラ」でも前モデルから20%軽量化し、128gという驚異的な製品重量を実現。生地には強力な撥水加工「ポルカテックス®」を施し、水をはじいて生地の保水を防ぐとともに、汚れも付きにくくなっています。
また、旅行や日常使いにおすすめのモデルもラインアップに追加。重量わずか86g、手に取ると誰もが驚く超軽量の「トラベルアンブレラ」。当初は海外専用モデルとして開発された、ロングトレイルハイカーに人気の「サンブロックアンブレラ」は、優れた遮熱効果で、炎天下のアクティビティに活躍します。この傘の下にいると涼しく、熱中症対策としても有効です。
2020年には、さらに直径を6cm大きくした「トレッキングアンブレラ L」も加わりました。
豊富なバリエーションの中からご自分にピッタリの1本を選んで、バックパックやカバンに忍ばせておけば、突然の雨さえも楽しみになるかもしれません。

長くご愛用いただくために、すべての傘は修理が可能です。万が一、生地が破れたり、骨が折れた際は、モンベルストア、またはモンベルカスタマーサービスまでお問い合わせください。

(引用元:https://webshop.montbell.jp/ 

モンベルのホームページにもこのように特集のページが用意されているほど、おそらく売れ筋の商品なんでしょう。つくりや機能性の話は公式の方に任せてしまいたいのですが、個人的に最も助かっているポイントは最後の一文にある

長くご愛用いただくために、すべての傘は修理が可能です。万が一、生地が破れたり、骨が折れた際は、モンベルストア、またはモンベルカスタマーサービスまでお問い合わせください。

(引用元:https://webshop.montbell.jp/ )

「安易に買い替えるのではなく、長く愛用してもらいたい」という(これはきっと企業そのものの)姿勢です。
単に生地が破れやすいとか骨が折れやすいという訳ではなく、”破ってはいけない、折らないようにしないといけない”と思いながら使うのと”もしそうなったとしても直してもらえる”という安心感をもって使うのは心持ちとして大きく違うもの。
加えてもうひとつ、これは実際に何度か助かった経験もあるのですが、「折りたたみ傘の袋だけ」もオンラインストアで販売されているのです。

長傘をすぐに置き忘れてしまう僕は鞄にしまえる折りたたみ傘になっても袋のほうを失くしてしまう。昔折りたたみ傘を持っていた時も袋なしで使い続けるのもみすぼらしいからと買い替えたこともあったり、とことん傘に縁がない僕にも優しい傘です。直営店に配送すると送料が無料なのもまた優しい。

あとは傘の頂点のところについた輪っかが傘を閉じて少し持ち運びたい時やどこかにひっかけて干したい時に便利だったりとか、傘をしまう時に持ち手のくぼみに骨の先端を固定できて綺麗にたたみやすいようにデザインされていたりとか、細かい工夫や修正を何度も重ねてきたであろうプロダクトとしての強さを感じます。

言ってしまえばもっと軽い傘も、丈夫な傘も、安い傘も、おしゃれな傘もあると思うのですが、折りたたみ傘としての総合力を見ればこのトレッキングアンブレラに勝るものはないでしょう。定番だけど、選ばざるを得ない名品だと思います。

mont-bell / トレッキングアンブレラ ¥4,950-



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次号のNo.187は4月8日(金)に更新予定です。

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