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40代未婚でブライダルチェックを受けたいと話したら…

無知を晒してお恥ずかしい限りなのですが、不妊治療補助金に年齢制限があるのを数年前に知りました。

それは自身がその年齢、42歳になる一年ほど前でした。いまのパートナーとお付き合いを始めたのは40歳。彼はわたしの6つ上です。彼も子供に関して前向きな発言をしていました。

そこでふと、妊娠できるのか?と不安になりました。毎月、生理はそれなりに来ています。でも把握しているのは生理日くらいで基礎体温はもう何年もつけていませんでした。

付き合って半年が経った頃、することはしているにもかかわらず妊娠はしませんでした。これはいよいよ不安になり、ブライダルチェックを受けたほうがいいかな、と考えます。わたしのためというより、彼のためです。

もし、本当に彼が子供を望むのならわたしよりも別の人が良いかもしれません。彼のことはとても好きで、いまもそれは変わないことで、なのでそれは勇気がいることでした。結果によっては別れる覚悟もして、けれど別れを考えるだけでつらく何度か一人で泣きました。

ブライダルチェックとは

《〈和〉bridal+check》結婚予定の男女が、妊娠・出産に関連する疾患の有無を調べること。風疹(ふうしん)抗体検査や性行為感染症検査のほか、女性は子宮・卵巣・乳がん検診、男性は精子検査などを行う。 引用:コトバンク

病院によって検査内容はさまざまかと思いますが、使われている感覚としての意味は、子供ができる状態にあるかの検査、で、子供ができるかどうかの検査ではない、と言えるかと思います。

具体的な検査はいろいろあります。血液検査でのホルモン値計測、子宮の超音波検査はもちろん、排卵の有無(生理が来ているからといって排卵しているとは限らない)、卵胞の状態、子宮内膜の厚さ、造影剤を卵管に入れてレントゲンを撮り、卵管につまりがないか診る卵管造影、など。これらの検査は不妊治療として行う病院も多いです。

年齢的なものもあり、定期的に婦人科には行っていたのですがそこではお産も不妊治療もしていなかったので、ネットでブライダルチェックを検索しました。地方都市住まいですが、それでもいくつか病院が出てきました。

中でも産婦人科を併設していて、不妊治療でも有名な病院に行ってみることにしました。ホームページを見ると、表向きにブライダルチェックを診療項目としては書いてありませんでした。きっとhtmlのソースにキーワードが入っていただけなんでしょうけど。

この違和感もありましたが、有名だしと思い向かいました。土日はものすごく混むと聞いていたので会社は有給を取り平日午前中に予約しました。

わたしは未婚ですし、不妊治療というわけではなかったので婦人科で予約しました。問診票には子供を望んでいること、パートナーはいるけれど未婚であること、子供ができない要因があるのか調べたい旨を記入しました。

診察室に入ると女性の先生が問診票を見て、わたしの年齢からして不妊治療の方が良い、ということでそのまま同じ病院の産婦人科に行くようにと言われ、手配されました。

綺麗な廊下を挟んでいくつか扉をくぐると、お腹が大きな妊婦さんが数人いました。この時の精神状態は決して良いものではなく多少なりとも卑屈になってしまうのでした。わたしは…って比べてしまうのです。

待っている間に問診票を記入しました。先ほどより少し内容が具体的です。わたしは卵管造影を希望に◯をしました。血液検査ならいつも行っている婦人科でもできるからです。

やがて診察室に入ると今度は男性の先生でした。そして

「不妊は病気ではない、検査をしても妊娠できるかは分からない。」

と言われました。そして未婚であることについて

「未婚って…結婚したらいいじゃないですか。不妊の理由なんてあなただけの検査で分かりませんよ。」

と言われ、結婚の前に知りたいと考えていると話すとさらにあきれた顔をされました。

※結婚すればいいじゃない、については誰しもが思うことかもしれませんが、その件はまた別の話があるのでここでは割愛します※

そして続けて

「まあその…あなたが、とは言いませんよ。でもいろいろ良くない事情がある場合もあるじゃないですか。その人の勝手な都合だったり、ただ子供が欲しいと言うのがあなただけの気持ちだったりした場合とか…だから結婚して2人で不妊治療を受けたらいいんじゃないかな、と思うわけです。それができない理由がないのなら。」

…なるほど。そういう見方もあるわけですね。

たしかにわたしは未婚です。でもパートナーとは子供ができたら結婚しようと話していました。おかしな話ですよね、たしかに。結婚すればいい。そう思うに違いない。でも変な話、子供ができなければ結婚しなくていいと思っているのも事実なのです。

なんだかうまく説明できません。その時もいまも。

最後にその先生が言いました。

「で、なにがしたいんですか?卵管造影ですか? やれと言われればやりますよ、実費で7000円ですけど。きょうやります?」

わたしはこの状態のこの男の前で股を広げる気にはならず、なるべく落ち着いたトーンで丁寧に断りそのまま帰りました。会計を待ち名前を呼ばれて財布を出しましたが、お金は請求されませんでした。もちろん2度とその病院には行っていません。








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