見出し画像

気を遣わせるカシスオレンジ

SNSで遠く離れている友達の日常を垣間見ることができるこの時代。長く時間を過ごしていた友達でも、あ、そうなんだね、なんて一面を新たに知ることも多い。

例えば、趣味で釣りやってるんだとか、キャンプにハマってます、とか。元々そんな趣味聞いたことなかったけど楽しそうでいいねみたいな。

そんな中、誰かにタグ付けされたアルコールと共に乾杯ウェイしている写真や、家でやたら呑んでる、みたいな投稿には、えっそうだったんだ感が否めない。


わたしはお酒を嗜まない。本当に面倒くさいことをいうならカシスオレンジだけは気分も悪くならず何杯でも飲める。でもビールは苦くて飲めないし、日本酒はおちょこ一杯でも頭痛がする。ワインは匂いだけでも気分が悪くなる。おそらく体質的にアルコールが飲めないのだと思う。

でも若い時は、酒場の誘いを断ったことがないくらい飲みに出ていた。ボージョレ・ヌーボーの解禁ウェイの会なんぞ、何回参加したろう。当然ボージョレ・ヌーボーなんて舐めてもいない。泥酔した友人たちの様子を事細かに記憶して翌日暴露。その話でまた大笑いするのが楽しかったが、そのためにいくらのお金に手を振っていたのかは考えたくない。

そんなわけで周りにはお酒を飲む人が多かった。本当に親しくなるとサシでも飲みに出かけるわけだけど、わたしはお酒を飲まない。そんな時、数人の友達は「普段はそんな飲まないんだよ」なんて言いながら、2杯程度のお酒で盛り上がって朝まででも楽しい夜を過ごしたもんだった。

しかし、わたし以外の友人たちと、はたまたご家族でのご様子をSNSで知る機会を得ると、えっ普段からさんざんあおってるやん、酒…である。

やっぱり気を遣わせていたわたしのカシスオレンジ…

#創作大賞2023 #エッセイ部門

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?