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遺跡の記号のふしぎ!?

九條です。

私の専門は歴史学(日本の古代文化史)で、考古学が専門ではないのですが考古学は隣接する領域でもあるので、遺跡(埋蔵文化財)の『発掘調査報告書』などはたまに読んだりします。

当然、考古学の専門的なことについては考古学の先生や考古学を専門としている人たちにお任せしていますし、時にはお願いして教えていただきます。そういう意味でも人の繋がりは大事だなぁと思います。なので考古学に関することを私が勝手に判断したりはしません(専門領域外ですからネ)。

また、いまから30年以上も前の話しなのですが、私が大学生時代には春休み・夏休み・冬休みなどの長期休暇中に京都や奈良や大阪などの博物館でアルバイトをしたり遺跡の発掘調査現場でアルバイト(作業員や調査補助員)をしたりしていました。就職してからも若い間(30歳代くらいまで)は、遺跡の発掘調査の指揮をしたりもしていました。

さて、そんな遺跡の発掘調査では独特の記号を使います。その記号は『発掘調査報告書』などでも普通にたくさん用いられています。

たとえば…


SD=溝(溝跡)
SK土壙どこう=比較的大きな穴
穴を掘ったお墓の事を「土壙墓どこうぼ」と言ったりします。
SH=住居跡(竪穴住居)
SB=柱穴(総柱建物=いわゆる掘立式の「ベタ柱」建物)
P(Pit)=穴(柱穴など)


などなど…この他にもたくさんあります。

これらの記号をどのように覚えるのかというと、私が大学生時代に考古学を専攻していた先輩に教えていただいた覚え方は、

SDの「D」は溝、いわゆるドブの「D」
SKの「K」はカッコいい穴の「K」、カッコ悪くても「K」
SHの「H」は家(House)の「H」
SBの「B」は「バーッと柱穴が並んでいる」の「B」
Pitの「P」は「ピッ」とそこに穴があいているから

本当なのでしょうか?

たぶん(SH以外は)ウソだと思いますが、けれども私もその先輩同様、こういう風に「語呂合わせ?」で覚えました。

それから、これらの記号の「呼び方」なのですが、私はいくつかの発掘調査現場を経験して「不思議な法則?」を知りました(地域によっても人によっても違うとは思いますが)。それは…

【SDの場合】
SD1、SD2、SD3…と続きます。
えすでぃーいち、えすでぃーに、えすでぃーさん…などと呼びます。
【SKの場合】
SK1、SK2、SK3…と続きます。
えすけーわん、えすけーつー、えすけーすりー…などと呼びます。
【SHの場合】
SH1、SH2、SH3…と続きます。
えすえいちいち、えすえいちに、えすえいちさん…などと呼びます。
【SBの場合】
SB1、SB2、SB3…と続きます。
えすびーいち、えすびーに、えすびーさん…などと呼びます。
【P(Pit)の場合】
P1、P2、P3…と続きます。
ぴーいち、ぴーに、ぴーさん…などと呼びます。

そうなのです。「SK」は他と違って数字の部分を「英語読み」していたのです(笑)。

これは、たぶん…桃井かおりさんが出ていた某化粧品のCMの影響なのではないかと、私は勝手に想像しています。あくまでも私の勝手な想像です。

考古学がご専門のかた、違っていたら、すみません。どうかお許しください。^^;


©2022 九條正博(Masahiro Kujoh)
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